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2011年に読んだ本を振り返る





  1. 村上春樹 柴田元幸『翻訳夜話』 - 「石版!」

  2. ジェロラモ・カルダーノ『わが人生の書 ルネサンス人間の数奇な生涯 』 - 「石版!」

  3. 井筒俊彦『神秘哲学 ギリシアの部』 - 「石版!」

  4. 村上春樹『村上春樹 雑文集』 - 「石版!」

  5. 朝吹真理子『きことわ』 - 「石版!」

  6. ドミニク・チータム『「くまのプーさん」を英語で読み直す』 - 「石版!」

  7. 結城浩『暗号技術入門 秘密の国のアリス』 - 「石版!」

  8. リチャード・オウヴァリー『地図で読む世界の歴史 ヒトラーと第三帝国』 - 「石版!」

  9. アリストテレス『動物誌』(上) - 「石版!」

  10. アレクサンドル・ルリヤ『偉大な記憶力の物語 ある記憶術者の精神生活』 - 「石版!」

  11. 大西英文『はじめてのラテン語』 - 「石版!」

  12. アカデミー・デュ・ヴァン監修『ワインの基礎知識』 - 「石版!」

  13. A. A. Milne 『The House At Pooh Corner』 - 「石版!」

  14. 田中清高・永尾敬子・渡辺照夫 『ワインの実践講座』 - 「石版!」

  15. 起きてから寝るまで英語表現550 海外旅行編 - 「石版!」

  16. 集英社「ラテンアメリカの文学」シリーズを読む#11 ドノソ『夜のみだらな鳥』 - 「石版!」

  17. オリヴァー・サックス 『オアハカ日誌 メキシコに広がるシダの楽園』 - 「石版!」

  18. 西成活裕 『とんでもなく役に立つ数学』 - 「石版!」

  19. トマス・ピンチョン 『スロー・ラーナー』 - 「石版!」

  20. 三村太郎 『天文学の誕生 イスラーム文化の役割 』 - 「石版!」

  21. トーベ・ヤンソン 『たのしいムーミン一家』 - 「石版!」

  22. マイケル・A・スクリーチ 『ラブレー 笑いと叡智のルネサンス』 - 「石版!」

  23. スタパ齋藤 『スタパ斎藤の物欲番長 デジタルグッズ超買いまくり紀行』 - 「石版!」

  24. 西成活裕 『無駄学』 - 「石版!」

  25. 橋口孝司 『ウイスキー銘酒事典』 - 「石版!」

  26. ニコラウス・ステノ 『プロドロムス 固体論』 - 「石版!」

  27. 石野卓球・野田努 『テクノボン』 - 「石版!」

  28. スティーヴ・D・レヴィット & スティーヴン・J・ダブナー 『ヤバい経済学』 - 「石版!」

  29. ホルヘ・ルイス・ボルヘス 『七つの夜』 - 「石版!」

  30. 矢作俊彦 『スズキさんの休息と遍歴 または、かくも誇らかなるドーシーボーの騎行』 - 「石版!」

  31. 谷川健一『魔の系譜』 - 「石版!」

  32. 松田毅一 『伊達政宗の遣欧使節』 - 「石版!」

  33. プラトン 『ティマイオス』 - 「石版!」

  34. Wheelock's Latin 7th Edition - 「石版!」

  35. 柏野雄太 『Python ポケットリファレンス』 - 「石版!」

  36. 浜岡究 『はじめてのポルトガル語』 - 「石版!」

  37. 柴山潔 『コンピュータアーキテクチャの基礎』 - 「石版!」

  38. ウィリー・ヲゥーパー 『リアル・ブラジル音楽』 - 「石版!」

  39. 荒木飛呂彦 『荒木飛呂彦の奇妙なホラー映画論』 - 「石版!」

  40. Mark Twain 『The Adventures of Tom Sawyer』 - 「石版!」

  41. 立川談志 『人生、成り行き 談志一代記』 - 「石版!」

  42. 菊地成孔・大谷能生 『M/D マイルス・デューイ・デイヴィスIII世研究』(上) - 「石版!」

  43. ウンベルト・エーコ 『バウドリーノ』:偏差値が高いハードコア歴史おたくの手遊び - 「石版!」

  44. 『バガヴァッド・ギーター』:インドの壮大な叙事詩から、深淵なる哲学を - 「石版!」

  45. 井筒俊彦 『イスラーム文化 その根底にあるもの』:碩学による文化講義、まろやかな語り口で明晰に整理されまくるイスラームの姿 - 「石版!」

  46. 菊地成孔・大谷能生 『M/D マイルス・デューイ・デイヴィスIII世研究』(下) - 「石版!」

  47. 大友良英 他 『クロニクルFUKUSHIMA』:まだ戦争は終わっていないし、これからを考えるために - 「石版!」

  48. 野口晴哉 『整体入門』:独自の生命論にもとづく身体の解説が面白い - 「石版!」

  49. 尹伊桑/ルイーゼ・リンザー『傷ついた龍 一作曲家の人生と作品についての対話』:となりの国の大作曲家を生んだ文化とは - 「石版!」

  50. 荒俣宏 『決戦下のユートピア』:苦境のなかにも文化あり、戦争のイメージに生活の色を加える名著 - 「石版!」

  51. アポロドーロス 『ギリシア神話』:本当はこわいギリシア神話 - 「石版!」

  52. 掌田津耶乃 『新人プログラマのためのGoogle App Engineクラウド・アプリケーション開発講座 JAVA PYTHON対応』 - 「石版!」

  53. 岸本佐知子 『ねにもつタイプ』:言葉遊びと想像の迷宮へ - 「石版!」

  54. ガブリエル・ガルシア=マルケス 『百年の孤独』:4年ぶり、2度目の通読。でも最高。 - 「石版!」

  55. J. L. ボルヘス 『詩という仕事について』 - 「石版!」

  56. 綿矢りさ 『夢を与える』 - 「石版!」

  57. 小澤征爾×村上春樹 『小澤征爾さんと、音楽について話をする』 - 「石版!」


引き続き、今年読んだ本を振り返ります。57冊。今年は英語の本を読むようにしたり、ラテン語の勉強を始めたりしたのであんまり数が読めてないのかな~、と思いきや、去年よりも数は読んでいました。こうしてみるとリストから社会学の本が消え、代わりに思想史関連の本が入り込んでいて、自分の興味がまったく変わってしまったことよくわかります。また小説をあまり読まなくなりましたね。村上春樹の『東京奇譚集』の登場人物ではないですが、フィクションには当たり外れがあっても、ノンフィクションではそこまで外れが無いし、何らかの事実を知識として得られることが良いです。小説も歴史も物語として読んでいるところがあるので、読んでいるものが変わっていない、とも言えるのですが。





以下にいくつか得に印象的だった本をあげておきます。






魔の系譜 (講談社学術文庫 (661))
谷川 健一
講談社
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諸星大二郎に多くの元ネタを提供している民俗学者、谷川健一の代表作。タイトルどおり日本における「魔」についての信仰を記述したものですが、日本に古来より伝わってきた幻想的な歴史記述がとても面白く、マジックリアリズムさえ感じさせる歴史書です。こうした日本の精神史も面白いなあ、と思った次第。






伊達政宗の遣欧使節
伊達政宗の遣欧使節
posted with amazlet at 11.12.23
松田 毅一
新人物往来社
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これもまた日本の歴史についての本です。伊達政宗がヨーロッパに送った使節団の真相について記述した本。日本がヨーロッパと出会うことによって南蛮文化が生まれたことは中学生でも知っていることですが、この折衷主義というかマージナルなものが急に面白く感じられてきました。本書には「南蛮」から見た当時の日本の姿もあり、興味深かったです。





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テクノボン posted with amazlet at 11.05.05 石野 卓球 野田 努 JICC出版局 売り上げランキング: 100028 Amazon.co.jp で詳細を見る 石野卓球と野田努による対談形式で編まれたテクノ史。石野卓球の名前を見た瞬間、「あ、ふざけた本ですか」と勘ぐったのだが意外や意外、これが大名著であって驚いた。部分的にはまるでギリシャ哲学の対話篇のごとき深さ。出版年は1993年とかなり古い本ではあるが未だに読む価値を感じる本だった。といっても私はクラブ・ミュージックに対してほとんど門外漢と言っても良い。それだけにテクノについて語られた時に、ゴッド・ファーザー的な存在としてカールハインツ・シュトックハウゼンや、クラフトワークが置かれるのに違和感を感じていた。シュトックハウゼンもクラフトワークも「テクノ」として紹介されて聴いた音楽とまるで違ったものだったから。 本書はこうした疑問にも応えてくれるものだし、また、テクノとテクノ・ポップの距離についても教えてくれる。そもそも、テクノという言葉が広く流通する以前からリアルタイムでこの音楽を聴いてきた2人の語りに魅力がある。テクノ史もやや複雑で、電子音楽の流れを組むものや、パンクやニューウェーヴといったムーヴメントのなかから生まれたもの、あるいはデトロイトのように特殊な社会状況から生まれたものもある。こうした複数の流れの見通しが立つのはリスナーとしてありがたい。 それに今日ではYoutubeという《サブテクスト》がある。『テクノボン』を片手に検索をかけていくと、どんどん世界が広がっていくのが楽しかった。なかでも衝撃的だったのはDAF。リエゾン・ダンジュルースが大好きな私であるから、これがハマるのは当然な気もするけれど、今すぐ中古盤屋とかに駆け込みたくなる衝動に駆られる音。私の耳は、最近の音楽にはまったくハマれない可哀想な耳になってしまったようなので、こうした方面に新たなステップを踏み出して行きたくなる。 あと、カール・クレイグって名前だけは聞いたことあったけど、超カッコ良い~、と思った。学生時代、ニューウェーヴ大好きなヤツは周りにいたけれど、こういうのを聴いている人はいなかった。そういう友人と出会ってたら、今とは随分聴いている音楽が違っただろうなぁ、というほどに、カール・クレイグの音は自分のツ

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