諸星大二郎 『海神記』

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海神記 上 (光文社コミック叢書“シグナル” 6)
諸星 大二郎
光文社
売り上げランキング: 48,540

海神記[下] (光文社コミック叢書〈SIGNAL〉 (0007))
諸星 大二郎
光文社
売り上げランキング: 47,181
諸星大二郎の『海神記』を読んだ。いやあ、これ上下巻で出ているもんだから、てっきりこの2冊で完結かと思うじゃないですか。まさかの未完でびっくりしちゃったよ。『諸怪志異』も途中でストップしちゃってますが、果たして、諸星大二郎はこういう途中で止まってる作品をちゃんと完結させてくれるんだろうか……。『西遊妖猿伝』がいまのメイン仕事なのだろうけれど……と、微妙な気持ちになったのは『海神記』がめちゃくちゃ面白かったからである。すごい。80年代初頭と90年代初頭に書き継がれたものだが『暗黒神話』や『孔子暗黒伝』、あるいは『マッドメン』といった代表作よりも面白いんじゃないのか。

物語は古代の日本。天変地異や干ばつにあえぐ人々が、海から現れた謎の子供に導かれ、東にあるという常世を目指す……というストーリーで、設定はいつもの諸星大二郎という感じなのだが、権力者たちが政治的な策略もいろいろと出てくるし、呪術によって勝敗が左右される戦闘シーンのダイナミックな描写など、異例のスケールの大きさだと思う。個人的にもっとも惹かれるのは、この作品で描かれている世界が「日本は単一民族の国」という観念を、完全に打ち砕いているところだ。さまざまな小国が林立し、国が違えば、信仰している神も違い、風習も異なる。多様な民族が謎の子供によってまとまって、怒涛の勢いを作っていくところがなんともロマンティックだ。大変だとは思うが、最後まで描かれてほしい物語だと思った。

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E. H. Gombrich 『Gombrich on the Renaissance Volume 1: Norm and Form』

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Gombrich On the Renaissance - Volume 1: Norm and Form
E.H. Gombrich
Phaidon Press
売り上げランキング: 97,725
ひとまず読み終える。後半は花粉症の薬を飲みながらの読書となって、ものすごく散漫な読書となってしまった。以下に残した読書メモへのリンクを。

雑に読んでいながらも、ルネサンス美術の見方が色々変わる本であるなあ、と思いながら読んだ。読書メモを残してはいないが、最後の方の短い論文「The Style all'antica: Imitation and Assimilation(「古代風」様式:模倣と同化)」とか、ルネサンスの芸術家がどのようにローマ時代の芸術をパクったのかをかなり細かく見て行っていて、大変興味深かった。まあ、露骨にパクっていたりするんである。それでダメだ、とは言わないんだけれども、ゴンブリッチは結構心配性で「模倣っていうのがなんの価値があるの? コンピューターが全部真似っこしちゃう時代が来るかもしれないじゃん!」とか書いてたりする。

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佐々木信綱(編) 『新訓 万葉集』(下)

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新訓 万葉集〈下巻〉 (ワイド版 岩波文庫)

岩波書店
売り上げランキング: 160,031
ダラダラと寝る前に読む、みたいな感じで読んでいたら全然読み終わらず、上巻を読み終えてから5ヶ月ぐらいかかってしまった。下巻を読んでいるあいだに気づいたことは『万葉集』の成立は、平安時代じゃなくて奈良時代であり、わたしが根本的な歴史認識を間違えている、ということである。あと、万葉集って全部漢文で記されてるんだって。知ってました? わたし、知らなかったですよ。「新訓」ってそういうこと!? と思った。なんでそこに思いいたらなかったのか定かではないが、わたしはてっきり「新訓」を昔のひらがなを今のひらがなに変換した、的な解釈をしていた。なんでも『万葉集』に収録された歌の読み方っていうのは、平安時代にはすでに「これ、読み方わからないわ……」という状態になっていたとか言うではないですか。わたしはそれを知って、びっくりすると同時になんだか気が楽になっちゃったですよ。現代語訳とか読みやすくなってるモノとか、そういうのは「ホンモノじゃないからダメだ。やっぱりホンモノに触れないと」とか思ってたんですけども、なんだ、『万葉集』って「ホンモノ」がないんじゃん、と思ってしまって。じゃあ、ホンモノじゃなくて良いや、と思ったわけです。

で『万葉集』だけれども、やっぱり、痛々しい感じの恋愛歌が面白いです。そういうのが入っているページに付箋を貼って、しるしをつけておく。そうするといつでも「クックックッ」と笑えるので良い。下巻の前半は、上巻よりもメンヘラ臭がする歌がいっぱいある気がする。たとえば、2390「恋するに 死するものに あらませば 我が身は千たび 死にかへらまし(恋をしたら、死んじまうと、いわれてるなら、俺様なんか千回も、死から生還してるぜ!)」。これだとメンヘラというかヤンキーか。

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Annik Honore / Annik Honore

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仙台の4人組バンド、Annik Honoreのアルバムを聴いた。このバンドの存在は、おなじみ仙台の盟友、tdさんのブログで知った。大学生のバンドで、メンバーの就職を機に活動休止となっている、とのことである。CDはTwitterのアカウントでやり取りをすると簡単かつ迅速に入手できるので、是非聴いていただきたい(Twitterやっていない、という人はどうしたら良いんだろうか)。Joy Divisionのイアン・カーティスが不倫していた、と噂された女性の名前を冠している。かつ、tdさんが激推ししている、ということで、わたし的には間違いない感じであったのだが、彼らのSoundCloudを聴いて、また、Youtubeにアップされているライヴ動画を聴いて、いても立ってもいられなくなり、事情あって止まっていた埼玉県北部のビジネスホテルから注文の連絡をしてしまった。



個人的にはシューゲイザー、ブリットポップという、彼らが愛聴しているであろう音楽、リスペクトしているであろう音楽にまったく思い入れがない。が、そのリスペクト具合はそれなりに理解できる。おお、こんな、My Bloody Valentineみたいなサウンドが、今の大学生には作れてしまうのか、すごいな、とまるで中年のような驚きもある。もちろん、リスペクトの対象の真似っこだけではない。また個人的な偏見に基づく感想だが、自ら自分たちの音楽を「シューゲイザー」と名乗る日本人のバンドに対して「ケッ」という思いがあった。が、Annik Honoreには一切、そういうのがなかったんだ。突き抜けて気持ちよい音だな、と思ったし、シングルコイルのギターの音の魔力みたいなものを改めて感じさせてくれた。今の日本のバンドについて、多くの知識は持たないけれど、Homecomingsと同じぐらいこのバンドの音にグッと来てしまった。

送られてきたCDには手紙までついていた。活動休止中はとても残念だけれども、わたしがこの記事を書くことで、この音楽を広める力添えが少しでもできたら嬉しい。それにしても仙台の音楽シーン、どうなっちゃってるのよ、すごいな。

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規範と形式

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Gombrich On the Renaissance - Volume 1: Norm and Form
E.H. Gombrich
Phaidon Press
売り上げランキング: 79,077
引き続き、ゴンブリッチの「Norm and Form: The Stylistic Categories of Art History and their Origins in Renaissance Ideals(規範と形式: 美術史の様式的カテゴリーとルネサンス的理想におけるその起源)」と「Mannerism: The Historiographic Background(マニエリスム: その歴史記述の背景)」を読んだ。本論集のハイライト的なもので、美術史を記述する際のフレームワークが語られている。読んだ端から内容を忘れていっているので、読書メモを残すのもおぼつかないんだけれど、どちらも物語的な作品分析や発展史観的な様式分析についてかなり批判的であったように思う。音楽史でいうなら、バロックがあって、古典主義があってロマン派があって……などと、ある時代の人がそれ以前の人を乗り越えながら作品を提出していった、みたいな語り口にゴンブリッチはメスを入れている。あるいは、ブラームスか、ワーグナーか、といった対立軸で語ろうというところにも手厳しい。そういうのじゃない、ちゃんと作品から抽出できるものを見ていこうぜ、その形式の背景にどんな思想や文化があるのか見ていこうぜ、的な感じなのだと思うが、前述の通り、読んだことを忘れている……。ともあれ、「ラファエッロの《椅子の聖母》」で批判されていたことを思い出しながら、ゴンブリッチがなにをやろうとしていたのかは、ぼんやりとわかってくるような……。

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田中康夫 『なんとなく、クリスタル』

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新装版 なんとなく、クリスタル (河出文庫)
田中 康夫
河出書房新社
売り上げランキング: 14,585
2015年のテーマである田中康夫だが、一番の代表作『なんとなく、クリスタル』は中古で全然見つからずに新刊で買ってしまった。小説の本文と同じぐらい注がついている、それがナボコフの『青白い炎』のようだ、という噂では聞いていたけれど、いや、すごい小説だな、と思った。衝撃を受けた小説ってわたし、そんなにないんですが、これはそのうちの一冊に数えられるであろう。読んだタイミングも良かったな、ちょうど30歳で(そう、こないだ三十路に突入したんです)「クリスタルなアトモスフィア」な状態になってしまっている感じがあって、すごく今の気分にあっている、と思った。

普通よりちょっと上の贅沢ができる金があって、思想的・政治的にはまったくなんの主義主張もなく暮らしている(ただ、主義主張はないけど、馬鹿だなあ、と思うことはたくさんある)わたしみたいな人間には、このクリスタルなアトモスフィア、すっげーしっくりきてしまったんだ。描かれている1980年の風俗はわからないですよ、まだ生まれてすらいないし。でもさ、解説で高橋源一郎が書いてるみたいに「誰にも予測できない不安な未来」に国が向かいつつあるなかでも、クリスタルな感じは生きている、と思った。

そもそも、わたしはこのクリスタルな感じを全然に誤解してた。景気が良かった頃のなにも考えてないパーッとした雰囲気のことかと思ったら、徹底してそういうのをバカにしてるんですよね。時代の流れに乗りつつ、バカにしてるんですよ。でも、バカにしてる方も、完全に勝ち抜けして超越的な視点から下々をバカにしてるんじゃなくて「自分も、この先どうなるんだろうな〜」っていう不安はうっすらあるの。だけど、どうにかならないために、頑張ろうとかはない、っていうね。

これ、今でいうとアラサー年収600万円ぐらいの独身人間が、年収300万円ぐらいで維新の会とかヘイトスピーチとかやってる人をバカにしてる感じにすっげえ似てる気がするんだよ。

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Punch Brothers / The Phosphorescent Blues

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Phosphorescent Blues
Phosphorescent Blues
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Punch Brothers
Nonesuch (2015-02-02)
売り上げランキング: 4,485
tdさんのブログでThe Punch Brothersというバンドを知る。本作では「ブルーグラスの編成でドビュッシーやスクリャービンの楽曲を演奏している」というのが気になりすぎたし、tdさんが絶賛しているので間違いがないのだが、これは凄まじい名盤であろう。tdさんの「Wilco聴いてたら気付くと楽器がほとんど電化されていなかった状態だった」という形容は的を射まくっており、骨太なアメリカーナを感じさせる、ブルーグラス編成のロック・バンドなのであった。

本作収録の「I Blew It Off」
ヴィジュアルもすごく素敵なんですよね。ブックレットに掲載された写真を見るとなんだか、ビシッとしたスーツでめかし込んだ5人組がいる。それがめちゃくちゃにキマっている。普段のライヴではもうちょっとカジュアル、というかダラしない姿をしているようだけれども、ブルーグラスというジャンルのイメージをこどごとく裏切ってくる感じがある。楽器の演奏もテクニカルに見せてくるうえに、いきなりThe Beach Boys的な対位法コーラスをかましてこられたら、惚れないわけがないのである。

Nonesuchというレーベルには、こういう骨太アメリカーナ・ミュージックのバンドが集まっているんでしょうかね。Wilcoは自分たちのレーベルを作ってしまいましたが。

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ジェームズ・フレイザー 『金枝篇』(5)

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金枝篇(全5冊セット) (岩波文庫)
フレイザー
岩波書店
売り上げランキング: 609,460
粛々とフレイザーを読み、最後の5巻目も読み終えた。途中なんの話だったのか、この本のテーマってなんだったっけ……と相当わからなくなったのだが、最終巻に寄せられてる翻訳者の解説に「そういう読んでてわからなくなる本です」とあったので安心した。そのうえ、解説で「この本のテーマ(最初に出された二つの問い)」は、コレとコレです、そしてそれに対するフレイザーの分析はコレとコレです! と親切に補ってくれている。最高に親切設計である。でも、まあ、問題と答えがわかれば良い、という本ではなく、ホントかよ、とツッコミを入れたくなる風習や神話の数々が楽しいので、わからなくとも散漫に読んでも良いのであろう。

5巻には「民話における外魂」という章があり、ここを一番興味深く読んだ。生命の源である魂が、肉体の外に置かれている民話とか神話が各地にあったり、ある生き物と人間が繋がっていてその生き物が死ぬとその人間も死ぬ(つまりは生き物が外魂として機能している)という伝承であったりが、ほう、そういうのもあるのか、と思った。各地にあるお話は結構似通ってたりするし、日本にもこういう話ってあるよな、と思う部分も多々ある。しかし、時に「なにそれ、こんなこと良く考えるな」というものに出くわすと、本当に感心してしまう。自分の想像力の外側からお話がやってくる、というか、そういう感じがする。

以下には1〜4巻の感想エントリーへのリンクをまとめておく。

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Lightning Bolt / Fantasy Empire

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ファンタジー・エンパイア
ライトニング・ボルト
Pヴァイン・レコード (2015-03-11)
売り上げランキング: 13,810
Lightning Boltの新譜を聴く。彼らのアルバムを買って聴くのは実は初めてだったのだが、20年ぐらいキャリアあるのにこれがちゃんとした録音機材で真っ当に録音した初のアルバムらしい。なので過去最高の音質とのことである(旧作はどんだけ酷いのか……)。カンカンにテンションが高いスネアの音が気持ち良い。

音が音楽として聞こえる最小限の要素として「リズムとリフレインがあれば、音楽に聞こえてしまう」というのがある。ノイジーなベースと強烈に叩きまくってるドラムによるこのデュオが体現しているのは、そういう音楽だと思う。原始的、と言いますか、シンプルですよね。Play Loud!な感じで聴きたいし、聴けば聴くほどIQが低まっていきそうな楽しさがある。

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ジェームズ・フレイザー 『金枝篇』(4)

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金枝篇(全5冊セット) (岩波文庫)
フレイザー
岩波書店
売り上げランキング: 568,018
粛々とフレイザーを読んでいる。第4巻でメインになっているのは、聖なる動物を食べたりする儀式だとか、災厄を追い出すためにスケープゴート(これ訳語が『替罪羊』となっているのだが、日本語ではなんと読むのか……スケープゴートは中国語でも同じ字で tì zuì yáng と読むらしい)をしたり、またもやミカドの話がでてきたりする。聖なる動物を食べる部族として、北海道のアイヌがかなり大きく取り上げられているのが面白かった。小熊を育てて、儀式とともに殺す、とかね。フレイザーは聖なる動物を殺す動物典礼を2種類に分けている。普段から珍重しているものを殺すのか、日常的に殺しているものを聖的に扱うのか。このうちアイヌは後者のほうだとフレイザーは言う。日常的に殺し、食べ、利用しているものが同時に聖なるものである、ってたしかにちょっと不思議なのかも。

ミカドの話がでてくる箇所では、ミカドは地面に足をつけることが大変な恥だとされていて、実際に地面に触れたことで退位に追い込まれた人がいた、と書いてある。本当か……? だとしたら、誰なのか……。そういう風に地面だとか太陽の光だとかに触れられない人の事例がたくさん載っている。嫁入り前の娘さんを小屋に監禁しておく風習だとか、読んでいてちょっと恐ろしくなった。

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Coqui Ortiz / La Palabra Echa A Volar En El Canto

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カルロス・アギーレのレーベル、シャグラダ・メドラからコキ・オルティスの新譜を聴く。コキ・オルティスのヴォーカルとギターに、カルロス・アギーレのピアノ、そして、詩人のアレド・ルイス・メロニ(なんと102歳とのこと。エルネスト・サバトやコルタサル、ビオイ=カサーレスと同世代だ)による朗読で構成された純アコースティックなアルバム。メロニという詩人についてはなにも知らず、彼のスペイン語の詩もほとんど意味がわからない。普通なら飛ばして聴くところなのだが、なんとなく聴けてしまう。リズムはわかるし、そしてメロニの声がとても良い。少し嗄れて、エイジングを経なければ到達できない深い味わいみたいなものがある。

Youtubeには、このアルバムの発売記念ライヴ(?)らしき映像がアップロードされていた。良いですよ、これは。年寄りの声とピアノやギターが混じり合った瞬間に、ビクトル・エリセが撮る田園風景みたいなものが頭に浮かんできた。聴きながらしばらくぼーっとしたくなった。

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山本昭彦 『死ぬまでに飲みたい30本のシャンパン』

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死ぬまでに飲みたい30本のシャンパン (講談社+α新書)
山本 昭彦
講談社
売り上げランキング: 71,339
先日読んだ田崎真也と田中康夫の本で「最初から最後までシャンパンで通すのはとてもエレガント」と書いてあって、そうか、そういうもんか、と思った。シャンパンは製法上、基本的にはヴィンテージ(収穫年)がない。いろんな年のぶどうを職人が混ぜ合わせたり、リキュールを足したりして、そのブランドの味を決める。ヴィンテージによる違いがないから、シャンパンは簡単だ、ともある。そうか、そういうもんか、とまた思った。この『死ぬまでに飲みたい30本のシャンパン』を手に取ったのも、エレガントなのに、簡単だ、それ、良いじゃん、と思って興味を持ったから。

本書でもシャンパンは簡単とある。でも、全然ウソね。すげえ色々あるじゃんか。まず、ぶどうの種類、畑、そしてシャンパンにもヴィンテージがある(それは知ってたけど)。ひょっとすると普通のワインよりも、奥が深い世界なんじゃないの、と思った。あと、高い。ニューワールドの1000〜2000円のワインから美味しいものを探す遊びとは、全然敷居の高さが違う。高くなったよね、シャンパンも。世界的な需要が高まってるのとユーロ高で気が付いたら(おそらく誰でも知ってる)モエのブリュット・アンペリアルでさえ今、近所のカクヤスでも4000円ぐらいするし。わたしが学生時代(円高時代)なんか今のハーフの値段でフルボトルが買えた気がするのに。ちなみに、モエのブリュット・アンペリアルを本書は名前をあげずにかなりdisっています。

ただ、そういう複雑さも含めて面白い世界だな、とは思う。読んでも高いから飲めないのが苦しくなるが、超キザキザで高飛車な感じのする文体と内容で紹介されるシャンパンの世界、そして飲むときの作法なんか、ムカつくけど、カッコ良いじゃんか、と思う。たとえばこんな感じ。
「セレブ気分」という見出しにひかれて、大手新聞のワイン特集を読んだら苦笑させられた。
紹介されていたのはスペイン産スパークリング・ワインのカバ。泡立つワイン=セレブというのはさすがに乱暴すぎる。「セレブ」は日本ではかなり安い存在だが、さすがにカバを飲んでセレブは名乗れない。セレブがカバを飲んでさまになるのは、産地であるスペインのバルセロナ近郊にある、世界で最も予約のとれない3つ星レストラン「エル・ブジ」(閉店)くらいのものだ。
どうよ、これ!  著者自身、読売新聞の所属なのに同業者を鼻で笑う感じでこき下ろしている(この著者、これまでにBMW5シリーズが『軽く』1台は買えるぐらいシャンパンに金をつぎ込んだそうです。新聞屋さんってお金持ちなんだなあ)。

他にもカッコ良く(=コルクを抜くときに音を立てずに)シャンパンを開けるやり方なんかも「そんなテクニックを身につけてなんの意味があるのか。なんの意味もない」と書いている。つまり、なんの意味もないけど、それがカッコ良いってことなんだよ、と言うのだね。ムカつく、でも、そのムカつくところが良いし、最高じゃん、と思った。変に気軽なものとしてではなく、魔界的な奥深さを持ち、そして、シャンパン=カッコ良いし美味い、ということを圧倒的に伝える本だと思う。著者の情熱と知的欲求は本物で刺激を受けた。

日本の「夜のお店の世界」におけるシャンパンの話なんかも面白かったですね。ドンペリってクラブで頼むとそんなにお金かかるのか〜、とかね。


章ごとに著名人のシャンパンにまつわる名言集が載っているのだが、なかでもケインズの言葉がグッときた。「もっとシャンパンを飲んでおけばよかった」……ってねえ(なお、この言葉、死の床につく前の最後の言葉として伝えられているようですが、Quote Investigater(有名な言葉の元ネタを探すサイト)の調査によれば、違うらしい)。

以下、本書で言及されているシャンパンで、価格的に手が出せなくもないものの一覧。


アンドレ・クルエ シルバー・ブリュット・ナチュール 【正規品】 750ml
アンドレ・クルエ
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ジャクソン キュヴェ 737 白 750ml
ジャクソン
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アンリ・ジロー オマージュ・ア・フランソワ・エマール 白 750ml
アンリ・ジロー
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ラファエッロの《椅子の聖母》

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Gombrich On the Renaissance - Volume 1: Norm and Form
E.H. Gombrich
Phaidon Press
売り上げランキング: 24,741
引き続き、ゴンブリッチの「Raphael's 'Madonna della Sedia'(ラファエッロの“椅子の聖母”)」を読んだ。おそらく講演をもとにしたエッセイで、前口上的に語られる「芸術作品がその製作時の逸話などを媒介に語られることで受容されるこの弊害」みたいな部分がとても面白い。
小椅子の聖母
ゴンブリッチ曰く、ラファエロが晩年にローマで描いたこの作品には、これといったエピソードが残されていない。物語として独立して成立した芸術作品なのである。にも関わらず、後世に捏造された逸話がまことしやかに語られてしまっている。そういうのは良くないんじゃないの、作品を前にして、作品を観ているのか、逸話を聞いているのか、よくわからなくなっちゃうよね、的な批判からゴンブリッチはこの作品の分析に入っていく。

では、どんな逸話があったのか。例えばこの作品の形について。円形の絵画は「トンド(tondo)」と呼ばれ、ルネサンス期に流行した形式だった。ラファエロはその流行にそっていただけなのに「カンバスが買えないほど貧乏だった時代のラファエロが、酒樽の底にスケッチをおこなったからこの絵は丸いのだ」などと語られた。19世紀にはこの逸話を元にして「モデルとなっている親子を前にして酒樽の底に下絵を描くラファエロの姿」を描いた絵画も製作されたというのだから、これは相当に根強い伝説だったのだろう。またこの絵画のモデルについても、諸説あり、ゴンブリッチはこの絵画が展示されているピッティ宮殿パラティーナ美術館を訪れたときに、どこぞの旅行ガイドが「これはラファエロが自分の妻をモデルにしたんですよ〜」と語っていたのに遭遇した、と言う。ちなみに、ラファエロは生涯独身だったので、そんな話は大嘘なわけである。

ゴンブリッチの作品分析は、ラファエロの作風の変遷を細かく追っていてなかなか面白い。ウンブリア派の工房に弟子入りしたところからキャリアをスタートしたのち、フィレンツェに行ってレオナルド・ダ=ヴィンチの絵画に衝撃を受け、そこで「聖母子」というテーマを探求し、聖母子を描いた3部作的な作品を残した、というところが熱い。そこにはレオナルドの影響も色濃く見られるが、ルーツであるウンブリア時代の師匠、ペルジーノから学んだ技法もしっかりと刻まれているのだという。

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Rafael Dutra / Oásis de Vidro

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Oásis de Vidro
Oásis de Vidro
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Rafael Dutra (2014-09-25)
久しぶりに(?)ブラジル音楽の新譜を買う。ここ数年、ミナス・ジェライスの若いミュージシャンに注目が集まっているがこのハファエル・ドゥトラもミナスのミュージシャン。1988年生まれだから、アントニオ・ロウレイロ(1986年生まれ)よりも若い。本作がデビュー・アルバムということだが、ロウレイロのファーストと同じぐらいかそれ以上の個人的なヒット作である。

ロウレイロにしても、ハファエル・マルチニにしても、クリストフ・シルヴァにしても「新世代ミナス」系として一括りにまとめられすぎちゃう、というか音のタイプが似すぎちゃう傾向を感じるのだが、ドゥトラはそこからちょっと外れたオルタナ / ポスト・パンク / ハードコア色の強いサウンドが入っていて、それがとても良い。具体的なバンド名としてはFaraquetっぽい。いわゆるシカゴ音響派とかにもかなり影響を受けてるんではないかな、と思う。シングルコイルのジャギジャギッとしたエレクトリック・ギターの音なんか、大変に燃えてしまう。

大変にグルーヴィーである。ちょっとジョルジ・ベンみたいな声になる瞬間があり、これは21世紀のサンバ・ホッキなのではないか、と思ったりもする。音源はAmazonとiTunes Storeで配信されているので、CDでの購入にこだわりない方は、そちらが便利。CDはディスクユニオンのサイトで通販しています。

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John Carpenter / Lost Themes

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Lost Themes
Lost Themes
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John Carpenter
Sacred Bones (2015-02-03)
売り上げランキング: 10,536
ジョン・カーペンターの映画は『ハロウィン』しか観ていないのだが、監督も脚本も音楽もやっている「なんでも自分でやっちゃう」型の監督として、クリント・イーストウッドやアレハンドロ・ホドロフスキーと同じようにわたしの脳に名前が刻まれているのだった。その『ハロウィン』のテーマですけれども、これ、ホラー映画音楽の名曲として評価されているそうですが、わたしはマイク・オールドフィールドをパクッたGoblinのさらにパクリみたいなものだと思っていて、それほど好んでいるわけではない。
とはいえ、これも「ホラー映画にミニマルっぽい音楽が似合う」という道を作った作品のひとつのような気もして、大変に重要な仕事だったのかもしれない。ミニマル以外であればトーンクラスター……ってそれはまんま『エクソシスト』の偉大さを物語っている感じがあるのだけれど。

で、そのジョン・カーペンターが初のソロ・アルバムを発表したのである。前述の通り、特別なファンではないのだが、たまたま聴いたアルバム収録曲の「Night」が最高すぎて思わず購入してしまった。
この「今、何世紀だと思っているんだよ」というぶっといシンセサイザーの音。間違いないだろう、これは、と一瞬で確信したが、アルバム全体を聴いても名盤だと思う。全編こんな感じで、シンセサイザーとギターをメインにしたミニマル的な楽曲が収録されていて、(ライナーノーツにもある通り)マイク・オールドフィールドやGoblinの音楽を強く思い出させるのだけれども、全然それだけではない。まったく踊れないイタロ・ディスコと言っても良い気がするし、テンションの低すぎるTangerine Dreamみたいな感じもある。

とにかく内向きな、鬱っぽさと、これからなにかが起こりそうなイキフンがギンギンに詰め込まれているところが良い。音楽の用途としては、部屋でひとりで聴く、という以外には考えられないのだが、定期的にこういうものを聴いて、内省的にならないとダメだ、と思う。

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ジェームズ・フレイザー 『金枝篇』(3)

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金枝篇(全5冊セット) (岩波文庫)
フレイザー
岩波書店
売り上げランキング: 495,984
第3巻はエジプトのオシリスとイシスの神話についての考察がメインになっている。プルタルコスの著作を参照していることがわかるのだが、これは『金枝篇』でも出典がわかる話として珍しい気がする。オシリスが死んだ後に体をバラバラに刻まれてナイル川に流され、イシスはその部分を一生懸命集めたけども、男性器だけが見つからなかった、というエピソードはわたしもプルタルコスを読んだときに印象的だったから覚えてたんだけど、フレイザーもこの「体をバラバラにする」というところにかなり注目しているようだ。例によって信憑性は定かではないが、食人族が人身御供をバラバラに切り刻んで五穀豊穣を祈る、みたいな結構エグエグな話が載っている。

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Original Love / ラヴァーマン

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ラヴァーマン
ラヴァーマン
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WONDERFUL WORLD RECORDS (2015-03-04)
売り上げランキング: 39
Original Loveの新譜を聴く。なんでも現在制作中のアルバムは『風の歌を聴け』(言わずもがなの名盤である)制作時のメンバーと一緒に作ってるらしく前のアルバム『Electric Sexy』とはまた全然方向性が違った(本人曰く)「新しく懐かしいオリジナル・ラブらしいエネルギッシュなサウンド」になるらしい。今回のシングルを聴いたらアルバムを聴くのがとても楽しみになった。
まあとにかくこのPVを見てくれ、聴いてくれ、という感じだが、このサウンドとメロディにわたしは昨年から熱心に聴いておりますNegiccoへの提供曲や編曲での参加曲との強いつながりをギンギンに感じてしまって、そこもひとつの感激ポイントなのだった。職人的に作られたJ-Popの理想形というか、ちゃんと手間暇かけて作られている。そういう音がする。CDがおまけでついてくる握手券や投票権とはまるで違う、ちゃんとしたコンテンツだ、と思った。「ラヴァーマン、胸に矢が刺さっている男」もうこのセンスにも脱帽してしまう。

B面の「クレイジアバウチュ」もとても良い曲。コード進行がかなり変態的なことになっているのだが、ジャズっぽい感じにもAORっぽい感じに聴こえず、うむ、これはJ-Popだな、としか思えない、という恐ろしい曲だと思う。さらに「ウイスキーが、お好きでしょ」の弾き語りライヴ音源。田島貴男氏のジャズ・ギター演奏が非常に達者で、こんなに弾きながら歌えてスゴいな、ミュージシャン、すごいな、と改めて驚愕した。

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レオナルドの構図作成法

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Gombrich On the Renaissance - Volume 1: Norm and Form
E.H. Gombrich
Phaidon Press
売り上げランキング: 238,503
引き続き、ゴンブリッチを。「Leonardo's Method for Working out Compositions(レオナルドの構図作成法)」を読んだ。ダ・ヴィンチのスケッチをとりあげ、そこで用いられた新しい技法について読み解いている。例えばこういうスケッチ。これは『聖アンナと聖母子』の習作だが、なにがなんだかわからない大量の線の重なったカオスが描かれている。こんなものをスケッチとして残してなにか意味があるのか、という話なんだけれども、ダ・ヴィンチはこうしたスケッチを最良の構図を模索するための手法と考えていた。つまりは画面は画家の想像力のスクリーンとなり、画面に残された大量の線は、あれこれと画家の試行錯誤した構想や想像の軌跡なのだ。こうした手法は「componimento inculto(構成的なスケッチ、とでも訳すのかな。邦訳でどうなっているかわからない)」と呼ばれ、ラファエロにも影響を与えて、後期の習作には初期のウンブリア時代には見られなかったこの手法が使われているという。

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メディチ家のパトロンぶりはいかなるものだったのか

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Gombrich On the Renaissance - Volume 1: Norm and Form
E.H. Gombrich
Phaidon Press
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引き続き、ゴンブリッチのエッセイ・論文集から。「Renaissance and Golden Age(ルネサンスと黄金時代)」と「The Early Medici as Patrons of Art(芸術のパトロンとしての初期メディチ家)」という2本を読んだ。どちらもメディチ家がパトロンとしてどんな活動をしていたのかに触れている文章で、特に「ロレンツォ・デ・メディチはコジモに継ぐ芸術の庇護者的に語られてるけども、実際はそんなに芸術に興味なかったんじゃないか」というお話を詳しくしている。

金持ちのパトロン活動って、利得感情が働かない趣味の世界の話であり、芸術に理解がある = 徳が高い人物、みたいな理解のされ方をすると思う。しかしながら、この2本を読むとゴンブリッチが真に芸術に関心をもった人物として評価するコジモ・デ・メディチにしても、その建築に対する支援活動と関心は、教会に対する自らの威光を高めるための世俗的な意図が働いたものだということがわかる。要するに現代の企業メセナとあんまりレヴェルが変わんないのね。

この2本は、とにかく立派なパトロン、芸術の庇護者としてのロレンツォ像を書き換えようという記述が面白い。たとえば、ロレンツォは祖父と同様に建築に興味を持っていたけれども、彼の場合は「俺は建築にものすごい理解があるんだ」という自負があったらしく、フィレンツェの建築計画をコントロールしようとしたり、現代では名だたる巨匠として語られる芸術家が参加したコンペで自分の案を最良のものとして採用しようとしたり、とジャイアンばりの権力を振るっていた。なんだかムッソリーニみたいである。

また、メディチ家の芸術・工芸品コレクションの当時の価値に関する記述も面白く読んだ。メディチ家が画家だとか建築家だとかを育てた、みたいな話になってはいるとはいえ、当時彼らが一番高価で価値があると考えていたのは、絵よりも彫刻を施した宝石類だとかだったそうな。で、そうした宝石類は400フロリンから1000フロリン。このTazza Farneseは最も高いもののひとつで10000フロリンだったとか。
Tazza Farnese。紀元前2世紀ぐらいのカメオとのこと。
このサイトの記述を参考に考えると、当時の1フロリンは今の12万円ぐらいだから、Tazza Farneseは12億円か。ちなみに、ボッティチェリのようなマスター・ランクの画家による絵画は50〜100フロリンだったらしい。1枚、600〜1200万円ですか。なんか頑張れば、わたしでも買えるんじゃないか、という気になってくる(35年ローンでなんとか……)。

メディチ家といえば芸術家たちだけではなく、プラトン・アカデミーを主宰して人文主義者を育ててもいる。フィチーノなんかは大変メディチ家に大変お世話になっていて、せっせとギリシャ語の文献をラテン語に翻訳しているのだが、これもゴンブリッチによれば「当時のギリシャ語の本なんか宝石や絵画よりもずっと安いし、学者に払う報酬なんかも芸術家よりずっと安く済んでいたんだから大した出費じゃなかったハズ」といったところになる。

芸術だとか人文主義だとかはメディチ家にとって、あくまで余技みたいなものだった、ということなのか。そう考えると、近現代のパトロンのほうが立派にも思えてくる。MOA美術館作った岡田茂吉とかね。

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電気グルーヴ / Fallin' Down

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金曜日の深夜にテレビを見ていたら電気グルーヴの新曲がとあるドラマのEDテーマに使われていた。ケラリーノ・サンドロヴィッチが監督の、サブカル臭いドラマで、子供の頃になんだかこういうテイストのイラストを見たなあ、というキャラクターのアニメーションとともにその音楽が流れていた。古式ゆかしいエレポップという感じで、ああ、電気グルーヴもここまで来てしまったかあ、と思った。活動休止からの活動再開以降、古い機材をゴリゴリに使い倒して、ハードなジャーマン・ニューウェーヴみたいなサウンドを出しつつも、懐古趣味ではない独特なサウンドを展開してきた、という印象があるけれども、今回のシングル「Fallin' Down」はそこからの新たな展開を予感させる。「虹」とか「N.O.」とかさえ彷彿とさせるぐらい、どエラいポップさである。

こんな曲、いまどき電気グルーヴにしかできないでしょうよ、と大変感心してしまった。やっぱり古い感じが全然しないのがスゴいです。うまく表現できないのだけれども、マシンを使ってるのに、人間味がある、と言いますか「あえて、こういう昔の音をやっています」というお仕事をすると「機材のプリセットそのまま使ってます」感が残るじゃないですか。そういうのがない。そこが音楽としてのリアリティを生んでいる気がするんだ。超いい曲。

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ジェームズ・フレイザー 『金枝篇』(2)

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粛々と『金枝篇』を読んでいる。2巻に入ってからのほうが面白い。1巻を読み始めたときにたまたま友達から「『日本のミカドは地面に触れることすらタブー』みたいなことが書いてあって、ホントかよ、と思った。この記述レベルだと、ほかの地域の伝承も信憑性が疑いたくなるよね」という話を聞いていた。そうしたミカドに関する記述は2巻に書いてある。なんでも食事を盛った皿は一度使ったら割っちゃう(呪術に使われないように)とか……。フレイザーがどこからこういう話を拾ってきているのか全然わからないのだが、ひょっとしてイエズス会宣教師がらみの報告書だったりするんですかね。

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