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最近聴いたレコメン系とかそのへん




Hopes & Fears
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Winter Songs
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 会社の上司がニューウェーヴ/ポストパンクのリアルタイム直撃世代かつプログレ大好き人間で「気になっていたけれど、機会がなくて聞いていなかった音源」をよく貸してくれます。で、最近はアート・ベアーズなんかを聴いている。ヘンリー・カウがスラップ・ハッピーを吸収した後、なんか色々あってフレッド・フリスとクリス・カトラーとダグマー・クラウゼによってバンドから切り出されたみたいにして結成された歌モノのバンド。一枚目(『Hopes And Fears』)はほとんどヘンリー・カウ&スラップ・ハッピー体制で録音されてて、さらにアクサク・マブールの人が地味に参加してるんだけど、異様なポップさが最高。なんか、ザ・フーみたいな展開の曲とかある。クリス・カトラーがキース・ムーンみたいなドラムを叩くんだよ……。フレッド・フリスはピート・タウンゼントみたいになるし。それ以外はインプロヴィゼーションよりもカッチリと作曲するようになった頃のヘンリー・カウとほとんど同じ感じがするけれど。


 セカンド、サードは一転してものすごい暗黒化。ずっと聴いてるとダグマー・クラウゼって歌が上手いのかよくわからなくなってくる。



Deceit
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This Heat
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All’s Well
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 あとチャールズ・ヘイワードの関連作なども聴く。ディス・ヒートのアルバム・ジャケットってカッコ良いなぁと思いつつ、何を思ってこんな暗い曲ばっかり録音してたんだろう……とかは不思議になる。歌も全部お経みたいだし。チャールズ・ヘイワードのドラムも木魚がダンスビート化したみたいに聴こえる。暗い曲ばっかり聴いていると「まだまだ自分大丈夫だな」って思う。


 ディス・ヒート解散後に結成されたキャンバーウェル・ナウはお経がスッキリしてポップになった!みたいで楽しい(あとベーシストがすごい)。





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