スキップしてメイン コンテンツに移動

2011年に買った新譜を振り返る





  1. リッカルド・シャイー/J.S.バッハ《クリスマス・オラトリオ》 - 「石版!」

  2. 松平敬/トマス・タリス:40声のモテット《スペム・イン・アリウム》 - 「石版!」

  3. Alexandre Tharaud plays Scarlatti - 「石版!」

  4. 細川俊夫/フルート作品集 - 「石版!」

  5. OORUTAICHI/Cosmic Coco, Singing for a Billion Imu's Hearty Pi - 「石版!」

  6. OBA MASAHIRO/Still Life - 「石版!」

  7. 大滝詠一/ロング・バケイション(30th Edition) - 「石版!」

  8. 砂原良徳/liminal - 「石版!」

  9. 細野晴臣/HoSoNoVa - 「石版!」

  10. Steve Reich/2x5 Remixed - 「石版!」

  11. ZAZEN BOYS/赤とんぼ・東京節 - 「石版!」

  12. 庄司紗矢香/Bach & Reger: Works for solo violin - 「石版!」

  13. BATTLES/Gloss Drop - 「石版!」

  14. Caetano Veloso/MTV Ao Vivo Caetano Zii & Zie - 「石版!」

  15. Thurston Moore/Demolished Thoughts - 「石版!」

  16. Samalea & Kabusacki/Al Limite Del Mondo - 「石版!」

  17. Fernando Kabusacki/Luck - 「石版!」

  18. 面影ラッキーホール/typical affair - 「石版!」

  19. Adriana Calcanhotto/O Microbio do Samba - 「石版!」

  20. Caetano Veloso e Maria Gad�/Multishow Ao Vivo - 「石版!」

  21. Domenico/Cine Privê - 「石版!」

  22. Otomo Yoshihide Quartet/Donaueschinger Musiktage 2005 - 「石版!」

  23. Iceage/New Brigade - 「石版!」

  24. Qluster/Fragen - 「石版!」

  25. 山下達郎/Ray Of Hope - 「石版!」

  26. 大友良英/大友良英サウンドトラックス vol.1 NHK 向田邦子ドラマ「胡桃の部屋」 - 「石版!」

  27. Choro Club with Vocalistas/Takemitsu Songbook:極上に柔らかいアレンジで聴く武満のメロディ、そして言葉 - 「石版!」

  28. Steve Reich/WTC 9/11:ライヒ生誕75周年で大ネタを - 「石版!」

  29. Milton Nascimento/ANOS 2000:旧譜についてもご紹介 - 「石版!」

  30. Mário Eugênio/Contramão:ブラジリアン7弦ギター、超絶技巧によるジャンルの超越 - 「石版!」

  31. ケント・ナガノ指揮 バイエルン国立歌劇場管弦楽団:ブルックナー《交響曲第7番》:ブルックナーの豊穣を最新録音で - 「石版!」

  32. Wilco/The Whole Love:オルタナ・カントリーから次のステージへ - 「石版!」

  33. Hilary Hahn & Valentina Lisitsa/Ives: Four Sonatas:アメリカの実験音楽のパイオニアがアウトサイダー・ミュージックだったことを明かす楽曲群 - 「石版!」

  34. Maria Rita/Elo:硬質なサウンドとヴォーカルの力強さがすげー良いです - 「石版!」

  35. Lou Reed & Metallica/Lulu:どうしてこんな問題作が? どうして僕はこんなところに? - 「石版!」

  36. 松田美緒/Compás del Sur - 「石版!」

  37. 坂本慎太郎/幻とのつきあい方:地面から15センチ浮いてる感じ、良いですよこれは - 「石版!」

  38. Marisa Monte/O QUE VOCE QUER SABER DE VERDADE - 「石版!」

  39. yanokami / 遠くは近い - 「石版!」





今年もいっぱいCDを買いましたが、新譜については以上の39枚。たぶん過去最多枚数ですが今年はブラジルものにハマってしまい、ディスクユニオンの新譜情報にがっつり踊らされてた、というのが影響しているのでしょう。そんななか今年最も印象的だったものとして、こちらのアルバムを挙げさせていただきます。



武満徹ソングブック
武満徹ソングブック
posted with amazlet at 11.12.22
ショーロクラブ with ヴォーカリスタス
SONG X JAZZ Inc,. (2011-08-31)
売り上げランキング: 5337



9月にパリ旅行から帰ってくる飛行機のなかでこのアルバムを聴き、日本語の響きがとても柔らかく、優しく聞こえたことが記憶に残っています。言葉の響きがバンドリン、ギター、ベースの室内的な響きと調和して、今年の気分によく馴染んだような気もします。毎年10万枚ぐらい売れて欲しい大名盤。日本で活躍する素晴らしい歌手たちとめぐり会える一枚でしたし、コンサートも素晴らしかったです。





上記にあげたリストを眺めていると、今年買った新譜はどれも印象的なものが多い気がします。意外と暇だったのかな、普段よりじっくりと音楽を聴いていた気さえする。流れる時間の感覚はとっても速かったけれど、引き続き素敵な音楽とともに生活がしたいと思います。もちろん、そうした喜びを享受できる幸福を確認しながら。





コメント

このブログの人気の投稿

石野卓球・野田努 『テクノボン』

テクノボン posted with amazlet at 11.05.05 石野 卓球 野田 努 JICC出版局 売り上げランキング: 100028 Amazon.co.jp で詳細を見る 石野卓球と野田努による対談形式で編まれたテクノ史。石野卓球の名前を見た瞬間、「あ、ふざけた本ですか」と勘ぐったのだが意外や意外、これが大名著であって驚いた。部分的にはまるでギリシャ哲学の対話篇のごとき深さ。出版年は1993年とかなり古い本ではあるが未だに読む価値を感じる本だった。といっても私はクラブ・ミュージックに対してほとんど門外漢と言っても良い。それだけにテクノについて語られた時に、ゴッド・ファーザー的な存在としてカールハインツ・シュトックハウゼンや、クラフトワークが置かれるのに違和感を感じていた。シュトックハウゼンもクラフトワークも「テクノ」として紹介されて聴いた音楽とまるで違ったものだったから。 本書はこうした疑問にも応えてくれるものだし、また、テクノとテクノ・ポップの距離についても教えてくれる。そもそも、テクノという言葉が広く流通する以前からリアルタイムでこの音楽を聴いてきた2人の語りに魅力がある。テクノ史もやや複雑で、電子音楽の流れを組むものや、パンクやニューウェーヴといったムーヴメントのなかから生まれたもの、あるいはデトロイトのように特殊な社会状況から生まれたものもある。こうした複数の流れの見通しが立つのはリスナーとしてありがたい。 それに今日ではYoutubeという《サブテクスト》がある。『テクノボン』を片手に検索をかけていくと、どんどん世界が広がっていくのが楽しかった。なかでも衝撃的だったのはDAF。リエゾン・ダンジュルースが大好きな私であるから、これがハマるのは当然な気もするけれど、今すぐ中古盤屋とかに駆け込みたくなる衝動に駆られる音。私の耳は、最近の音楽にはまったくハマれない可哀想な耳になってしまったようなので、こうした方面に新たなステップを踏み出して行きたくなる。 あと、カール・クレイグって名前だけは聞いたことあったけど、超カッコ良い~、と思った。学生時代、ニューウェーヴ大好きなヤツは周りにいたけれど、こういうのを聴いている人はいなかった。そういう友人と出会ってたら、今とは随分聴いている音楽が違っただろうなぁ、というほどに、カール・クレイグの音は自分のツ

2011年7月17日に開催されるクラブイベント「現代音楽講習会 今夜はまるごとシュトックハウゼン」のフライヤーができました

フライヤーは ナナタさん に依頼しました。来月、都内の現代音楽関連のイベントで配ったりすると思います。もらってあげてください。 イベント詳細「夜の現代音楽講習会 今夜はまるごとシュトックハウゼン」

桑木野幸司 『叡智の建築家: 記憶のロクスとしての16‐17世紀の庭園、劇場、都市』

叡智の建築家―記憶のロクスとしての16‐17世紀の庭園、劇場、都市 posted with amazlet at 14.07.30 桑木野 幸司 中央公論美術出版 売り上げランキング: 1,115,473 Amazon.co.jpで詳細を見る 本書が取り扱っているのは、古代ギリシアの時代から知識人のあいだで体系化されてきた古典的記憶術と、その記憶術に活用された建築の歴史分析だ。古典的記憶術において、記憶の受け皿である精神は建築の形でモデル化されていた。たとえば、あるルールに従って、精神のなかに区画を作り、秩序立ててイメージを配置する。術者はそのイメージを取り出す際には、あたかも精神のなかの建築物をめぐることによって、想起がおこなわれた。古典的記憶術が活躍した時代のある種の建築物は、この建築的精神の理想的モデルを現実化したものとして設計され、知識人に活用されていた。 こうした記憶術と建築との関連をあつかった類書は少なくない(わたしが読んだものを文末にリスト化した)。しかし、わたしが読んだかぎり、記憶術の精神モデルに関する日本語による記述は、本書のものが最良だと思う。コンピューター用語が適切に用いられ、術者の精神の働きがとてもわかりやすく書かれている。この「動きを捉える描写」は「キネティック・アーキテクチャー」という耳慣れない概念の説明でも一役買っている。 直訳すれば「動的な建築」となるこの概念は、記憶術的建築を単なる記憶の容れ物のモデルとしてだけではなく、新しい知識を生み出す装置として描くために用いられている。建築や庭園といった舞台を動きまわることで、イメージを記憶したり、さらに配置されたイメージとの関連からまったく新しいイメージを生み出すことが可能となる設計思想からは、精神から建築へのイメージの投射のみならず、建築から精神へという逆方向の投射を読み取れる。人間の動作によって、建築から作用がおこなわれ、また建築に与えられたイメージも変容していくダイナミズムが読み手にも伝わってくるようだ。 本書は、2011年にイタリア語で出版された著書を書き改めたもの。手にとった人の多くがまず、その浩瀚さに驚いてしまうだろうけれど、それだけでなくとても美しい本だと思う。マニエリスム的とさえ感じられる文体によって豊かなイメージを抱か