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日渡早紀『ぼくの地球を守って』






 日渡早紀『ぼくの地球を守って』を読了。この漫画については小学生の夏休みにほとんど毎年BSアニメ劇場でアニメが放送されていた記憶があるが、毎年プールやセミ捕りで忙しいために、第1話しか見られないという事態が続き、結局10年以上「クソ生意気なガキに噛みかけのガムを食べさせられる漫画」以外の印象しかもっていなかった。その後、大澤真幸の本などでこの作品が巻き起こした「前世ブーム」を知ることとなり、今日になってようやく作品の全貌を知ることができたわけだが、正直、直前に萩尾望都を読んでいたこともあり「そこまで反響を呼ぶほどの作品なのだろうか……」と首をかしげる結果となってしまった。いや、明らかに比べる対象が悪いのだが(逆に言えば『萩尾望都ってすげぇんだな……』と大変勉強になった)、話としては割合凡庸な気もするし、何より物語が進むにつれて、徐々に辻褄があわなくなっていく部分に対して作者が「辻褄があわないけれど、どちらが正しいのかは読者にお任せします」という弁明を挿入しているところが変に気に障ってしまう。ほかにも『聖闘士星矢』や『哭きの竜』のパロディといった読み手と作り手の共犯関係が築かれるような部分がイチイチおたく的な感性の表れとして読めてしまう。こういった内輪ウケを求めるような表現は、作品の評価とはまったく別な部分で(というかまったく評価できないのだが)興味深く思う。1987年から連載が始まったこの作品には、ニューエージや新興宗教といったカルチャー以上に、こういった時代的なノリが反映されているのではないだろうか、と思わなくも無い。





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