引き続き、Apple Musicで聴けるブラジル音楽の魔境的世界をご紹介していきたい。
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Noel Rosa / Versões Originais, Vol. 1
ノエル・ホーザ(1910 - 1937)は26歳で早逝した天才作曲家。短い生涯のなかで200曲以上の楽曲を遺したというのだからシューベルトやモーツァルトみたいである。サンバ創成期の重要作曲家のひとりなのだが、このアルバムを聴くと「これはサンバだ! サンバとしか聴こえない!」という楽曲ばかりでなく「サンバなのか……? これはショーロでは……?」とジャンルがはっきりしないものも含まれている(前回紹介したネルソン・カヴァキーニョは全部サンバだ! と思う)。それがギター弾き語りで、実に哀愁漂う感じに歌っているところそういう未分化さが面白くもある。音質は良くないです。
Ismael Silva / the Soul of Samba
イズマエル・シルヴァ(1905 - 1978)もサンバ創成期から活躍したミュージシャンで、ノエル・ホーザとの共作も多数あるとのこと。こちらのバイオグラフィーには「最初のサンバ学校の創設者のひとり」と書かれているから大人物である。「サンバの魂」通り、「これはサンバだ!」と確信できて安心である。1957年に発表されたアルバムのようなんだけれど、編曲は相当にジャズっぽい。
Zimbo Trio / The Zimbo Trio
時代は少し飛んで、1964年に結成され今も活動をしている伝説的ジャズ・サンバ・トリオ、Zimbo Trioのファースト・アルバムを(1964年)。Apple Musicで聴けるのは1966年に出たUS盤の曲順なのだが1曲目は「イパネマの娘」で「これでしょ、あなたたちの考えるブラジルの音楽って!!」という感じである。このカヴァ、前奏部分はゆるやかに始まるのだが、それが終わるとテンポがめちゃくちゃに速くなって、ピアノ、ベース、ドラムがこれでもかッ、と暴れるので最高。激烈に音数が多いのだが、不思議とクールに聴こえるのがまた良い。
Willie Whopper
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