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2015年に読んだ本を振り返る


  1.  アーサー・モーリス・ホカート 『王権』
  2.  岡倉覚三 『日本の目覚め』 
  3.  韓非 『韓非子』(1) 
    1.  韓非 『韓非子』(2)
    2.  韓非 『韓非子』(3) 
    3.  韓非 『韓非子』(4) 
  4.  池田玲子 『ヌードと愛国』  
  5.  ヒロ・ヒライ アダム・タカハシ 「危険な物質主義の系譜: アレクサンドロス、アヴェロエス、アルベルトゥス」
  6.  村上春樹を英語で読み直す 『スプートニクの恋人(Sputnik Sweetheart)』
  7.  菊地成孔 『ユングのサウンドトラック: 菊地成孔の映画と映画音楽の本』 
  8.  ヴァルター・ベンヤミン 『ドイツ悲劇の根源』
  9.  大江健三郎 『大江健三郎自選短編』 
  10.  E. H. Gombrich 『Gombrich on the Renaissance Volume 1: Norm and Form』 
    1.  E.H. Gombrich 「The Renaissance Conception of Artistic Progress and Its Consequences」
    2.  E.H. Gombrich 「Apollonio di Giovanni: A Florentine cassone workshop seen through the eyes of a humanist poet」
    3.  メディチ家のパトロンぶりはいかなるものだったのか 
    4.  レオナルドの構図作成法
    5.  ラファエッロの《椅子の聖母》 
    6.  規範と形式
  11.  田崎真也 田中康夫 『ソムリエに訊け』  
  12.  フアン・ルルフォ 『ペドロ・パラモ』 
  13.  檀一雄 『わが百味真髄』
  14.  ジェームズ・フレイザー 『金枝篇』(1) 
    1.  ジェームズ・フレイザー 『金枝篇』(2) 
    2.  ジェームズ・フレイザー 『金枝篇』(3)
    3.  ジェームズ・フレイザー 『金枝篇』(4)
    4.  ジェームズ・フレイザー 『金枝篇』(5)  
  15.  山本昭彦 『死ぬまでに飲みたい30本のシャンパン』 
  16.  田中康夫 『なんとなく、クリスタル』
  17.  佐々木信綱(編) 『新訓 万葉集』(下) 
  18.  ジークムント・フロイト 『精神分析入門』
  19.  E.R. クルツィウス 『ヨーロッパ文学とラテン中世』 
  20.  リチャード・パワーズ 『舞踏会へ向かう三人の農夫』 
  21.  ウィリアム・エチクソン 『スキャンダラスなボルドーワイン』 
  22.  伊藤計劃 『虐殺器官』 
  23.  安西水丸 『東京美女散歩』 
  24.  杉浦明平 『カワハギの肝』 
  25.  カルロス・フエンテス 『アウラ・純な魂』 
  26.  カルロ・ギンズブルグ 『チーズとうじ虫: 16世紀の一粉挽屋の世界像』 
  27.  荒木飛呂彦 『荒木飛呂彦の超偏愛! 映画の掟』
  28.  井筒俊彦全集(第2巻)『神秘哲学 1949年-1951年』 
  29.  レム・コールハース 『S, M, L, XL+: 現代都市をめぐるエッセイ』 
  30.  海老沢泰久 『美味礼賛』 
  31.  アリストテレス 『天界について・生成と消滅について』(岩波書店 新版 アリストテレス全集 第5巻) 
  32.  ダンテ・アリギエリ 『神曲』 
  33.  荒木飛呂彦 『荒木飛呂彦の漫画術』 
  34.  ガブリエル・ガルシア=マルケス 『コレラの時代の愛』 
  35.  エティエンヌ・ジルソン 『アベラールとエロイーズ』
  36.  辻調理専門学校(編) 『辻調が教えるおいしさの公式 日本料理』 
  37.  Morrissey 『Autobiography』 
  38.  マヌエル・プイグ 『ブエノスアイレス事件』 
  39.  黒田硫黄 『映画に毛が3本』 
  40.  加藤シゲアキの小説、3冊 
  41.  独立行政法人酒類総合研究所 『うまい酒の科学: 造り方から楽しみ方まで、酒好きなら読まずにはいられない』
  42.  片山洋次郎 『整体から見る気と身体』 
  43.  『日本霊異記』 
  44.  F. M. コーンフォード 『ソクラテス以前以後』 
  45.  ホメロス 『イリアス』 
  46.  ハーマン・メルヴィル 『白鯨』
  47.  Hal Foster / The Return of the Real: The Avant-Garde at the End of the Century 
  48.  戸部良一(他) 『失敗の本質: 日本軍の組織的研究』 
  49.  アンソニー・グラフトン 『テクストの擁護者たち: 近代ヨーロッパにおける人文学の誕生』 
  50.  岸政彦 『断片的なものの社会学』 
  51.  岸政彦 『街の人生』 
  52.  小林剛 『アリストテレス知性論の系譜: ギリシア・ローマ、イスラーム世界から西欧へ』 
  53.  池澤夏樹(訳) 『古事記』 
  54.  西寺郷太 『プリンス論』 
  55.  松尾潔 『松尾潔のメロウな季節』 
  56.  前田愛 『都市空間のなかの文学』 
  57.  大河原邦男 『メカニックデザイナーの仕事論: ヤッターマン、ガンダムを描いた職人』 
  58.  チャーリー・パパジアン 『自分でビールを造る本: The Bible of Homebrewing』 
  59.  安部公房 『砂の女』 
  60.  中原昌也 『サクセスの秘密: 中原昌也対談集』 
  61.  細見和之 『フランクフルト学派: ホルクハイマー、アドルノから21世紀の「批判理論」へ』 
  62.  大瀧純子 『女、今日も仕事する』 
  63.  マリオ・バルガス=リョサ 『密林の語り部』 
  64.  アラン・デュカス 『アラン・デュカスのおいしいパリ』 
  65.  髙崎順子 『パリのごちそう: 食いしん坊のためのガイドブック』 
  66.  1年3ヶ月ぐらいかけて新約聖書を読んだ 
  67.  村上春樹 『職業としての小説家』 
  68.  近田春夫 『考えるヒット』 
  69.  ウィリアム・フォークナー 『八月の光』 
  70.  ノルベルト・エリアス 『宮廷社会』 
  71.  細野晴臣 『細野晴臣 分福茶釜』 
  72.  原武史 『大正天皇』 
  73.  辻調理専門学校(編) 『辻調が教えるおいしさの公式 西洋料理』 
  74.  フランセス・イェイツ 『魔術的ルネサンス: エリザベス朝のオカルト哲学』 
  75.  福田育弘 『ワインと書物でフランスめぐり』 
  76.  マイケル・オンダーチェ 『イギリス人の患者』 
  77.  伊丹十三 『フランス料理を私と』 
  78.  バルトロメ・デ・ラス・カサス 『インディアスの破壊についての簡潔な報告』 
  79.  Herbert Alan Davidson 『Alfarabi, Avicenna, and Averroes, on Intellect: Their Cosmologies, Theories of the Active Intellect, and Theories of Human Intellect』 
  80.  井筒俊彦全集(第3巻)『ロシア的人間 1952年-1953年』 
  81.  羽生善治(監修) 『羽生善治のみるみる強くなる将棋入門: 5か条で勝ち方がわかる』 
  82.  羽生善治(監修) 『羽生善治のみるみる強くなる将棋序盤の指し方入門』 
  83.  岡村靖幸 『岡村靖幸 結婚への道』 
  84.  鹿島茂 『パリの日本人』 
  85.  ホメロス 『オデュッセイア』 
  86.  イグナチオ・デ・ロヨラ 『霊操』 
  87.  ウラジーミル・ソローキン 『青い脂』 
  88.  酒井泰斗・浦野茂・前田泰樹・中村和生(編) 『概念分析の社会学: 社会的経験と人間の科学』 
本のカテゴリで書いていたブログ記事を上記に列挙したら88タイトル。昨年は94タイトルあってブログ史上最多だったようなのだが、今年はブログに書く価値もないひどい本もほかにたくさん読んだので、たぶん年間100冊ぐらい読んでいるハズ。うち、英語の本は(日本語の小説の英訳を含む)5冊。

年々本を読む雑さが増している気がするが、今年は、酒と料理、食に関する本をたくさん読んでいたようである。この傾向はまだ我が家の積ん読本に食関連の本が眠っているので来年も続きそうだ。あと、年末にオンライン将棋にハマってしまい、羽生善治が関わってる将棋本は来年も読みそう。

テクストの擁護者たち: 近代ヨーロッパにおける人文学の誕生 (bibliotheca hermetica 叢書)
アンソニー グラフトン
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今年は、翻訳のお手伝いをさせていただいたこの本が出た。とりあえず、これを今年の一冊に選ばないとという感じである。

断片的なものの社会学
断片的なものの社会学
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岸 政彦
朝日出版社
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新刊本でほかに今年の一冊を挙げるなら、やはりこの本。90年代に流行った社会学とはまったく違うアプローチで、もう一度社会学を見直す契機となったかも。スゴい書き手だな、と思った。

今年は途中でApple Musicを導入して、新譜をほとんど買わなくなってしまったため、振り返りは本のみとする。

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テクノボン posted with amazlet at 11.05.05 石野 卓球 野田 努 JICC出版局 売り上げランキング: 100028 Amazon.co.jp で詳細を見る 石野卓球と野田努による対談形式で編まれたテクノ史。石野卓球の名前を見た瞬間、「あ、ふざけた本ですか」と勘ぐったのだが意外や意外、これが大名著であって驚いた。部分的にはまるでギリシャ哲学の対話篇のごとき深さ。出版年は1993年とかなり古い本ではあるが未だに読む価値を感じる本だった。といっても私はクラブ・ミュージックに対してほとんど門外漢と言っても良い。それだけにテクノについて語られた時に、ゴッド・ファーザー的な存在としてカールハインツ・シュトックハウゼンや、クラフトワークが置かれるのに違和感を感じていた。シュトックハウゼンもクラフトワークも「テクノ」として紹介されて聴いた音楽とまるで違ったものだったから。 本書はこうした疑問にも応えてくれるものだし、また、テクノとテクノ・ポップの距離についても教えてくれる。そもそも、テクノという言葉が広く流通する以前からリアルタイムでこの音楽を聴いてきた2人の語りに魅力がある。テクノ史もやや複雑で、電子音楽の流れを組むものや、パンクやニューウェーヴといったムーヴメントのなかから生まれたもの、あるいはデトロイトのように特殊な社会状況から生まれたものもある。こうした複数の流れの見通しが立つのはリスナーとしてありがたい。 それに今日ではYoutubeという《サブテクスト》がある。『テクノボン』を片手に検索をかけていくと、どんどん世界が広がっていくのが楽しかった。なかでも衝撃的だったのはDAF。リエゾン・ダンジュルースが大好きな私であるから、これがハマるのは当然な気もするけれど、今すぐ中古盤屋とかに駆け込みたくなる衝動に駆られる音。私の耳は、最近の音楽にはまったくハマれない可哀想な耳になってしまったようなので、こうした方面に新たなステップを踏み出して行きたくなる。 あと、カール・クレイグって名前だけは聞いたことあったけど、超カッコ良い~、と思った。学生時代、ニューウェーヴ大好きなヤツは周りにいたけれど、こういうのを聴いている人はいなかった。そういう友人と出会ってたら、今とは随分聴いている音楽が違っただろうなぁ、というほどに、カール・クレイグの音は自分のツ

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