五十嵐太郎 『新編 新宗教と巨大建築』

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新編 新宗教と巨大建築 (ちくま学芸文庫)
五十嵐 太郎
筑摩書房
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タイトルからは「新宗教は(おかしなメンタリティを持っているので)異様な巨大建築を立てがちである」的なキャンプ視線の批評を想像してしまうのだが、そうではない。近代の建築批評・建築史において無視されてきた、という新宗教の建築物を各宗教の歴史や信仰などと絡めながら分析した希有な本。たまたま最近、建築絡みでフランセス・A・イエイツの『世界劇場』を読んでいたけれど、改めて、建築が書物や音楽と同様になんらかのメッセージを伝えるメディアであることを意識させられもし、信仰における物語・言葉と、建築あるいは都市設計とが一致して動いていた点を解説するところはインテレクチュアル・ヒストリー的、というか、イコノロジー的な作品であるように読める。日本の近代化と国家神道政策と対立した大本教の建築について分析したパートなど非常に話のスケールが大きく、新宗教の成立史だけでなく、そもそもの日本の近代初期における宗教政策について興味を掻きたてられた。大名著。

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