Juana Molina
Crammed Disc Us (2013-10-29)
売り上げランキング: 772
「アルゼンチン音響派の歌姫」と称されるファナ・モリーナの新譜を聴く。わたしが彼女の音楽を聴くのはこれが初めてだけれども(現在、51歳の女性に歌『姫』はどうかと思うが、写真によっては少女ライクな容姿であって『姫』感はある)、なるほど、アルゼンチン音響派ってこんな感じだったかも、と思わされる摩訶不思議なサウンドで彩られた一枚。本作はファナ・モリーナによってすべての楽器演奏がおこなわれているそうだが、かつては鬼才、フェルナンド・カブサッキとも共同作業をしていたそうで、
2011年に出たカブサッキのソロ・アルバムにおけるユニークな彩りも思い出される。変拍子や、なんだか呪術的なリズムが目立ち、そのあたりには近年のビョークとの近さを感じつつ、わたしのなかで本作と最も近く感じるのは、(バンドになる前の)ウリチパン郡やその首謀者であるオオルタイチの作品であった。おそらくこれも、フリー・フォークとか、フォークトロニカとか、そうした括り方をされているんだろうけれど「○○ニカ」系の音楽に感じられる、癒し臭さ、というか、いけすかなさ、というか、ニューウェーヴのボサノヴァ・カヴァー・コンピとかを喜んで聴いてそうなヤツらに感じるモヤっとした感じ、というか、そうしたところとは縁がなさそうで素敵なんだなあ。
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