坪口昌恭 / A Cat In Modular

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A Cat On Modular
A Cat On Modular
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坪口昌恭
MORI RECORDS (2013-09-08)
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自身のプロジェクトである東京ザヴィヌルバッハ、菊地成孔によるDCPRG、ダブ・セプテットなど多方面で活躍する鍵盤奏者、坪口昌恭の新作はアルバム全体を、アナログ・モジュラー・パッチ・シンセサイザー、そしてヴォコーダーとコンピューターによるスピーチによる電子的な音声で構築する、という内容。

シーケンサーや平均律に音をあわせるするピッチ・クオンタイザーは一切使用せず、ツマミとパッチケーブルのセッティングだけでおこなわれるシンセサイザーの操作は、一般的な音楽演奏のイメージとはかけ離れているだろうだろうけれど、なにやら機械を相手にした錬金術みたいでとてもカッコ良い。Klusterや初期のTangerine Dreamなど70年代初頭のドイツのバンドには、こうしたシンセサイザーを使用して即興的な電子音楽を繰り広げていたものがあるが、坪口昌恭の新作は、そうした過去の音楽で聴くことのできる独特な音色を彷彿とさせる(やはり、アナログ・シンセの音の太さは素敵だ……)。

しかし、このアルバムは、かつてのドイツのバンドのようにスペイシーかつ、スピリチュアルなものではないし、また、アナログ・シンセとヴォコーダーを使っているからと言って、Daft Punkみたいな未来感を演出しているわけでもない。錬金術工房で生み出された、小品集みたいな趣きがある、なんだか可愛らしい一枚である。ちょうどシュトックハウゼンの電子音楽の《習作》を思い出したりもした。表題作の「A Cat On Modular」はなんど坪口昌恭、初の歌モノである。

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