ポール・クルーグマン『クルーグマン教授の経済入門』

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クルーグマン教授の経済入門 (ちくま学芸文庫)
ポール クルーグマン
筑摩書房
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 ハーバーマス『公共性の構造転換』のマトメに対するモチベーションが絶賛低下中なので『クルーグマン教授の経済入門』を読みました。昨年、ノーベル経済学賞を受賞した大変偉い先生の本が、山形浩生による野崎孝訳サリンジャー風の翻訳でサクッと読める、という超絶的な良書でした。これはマジで超面白かったです。あとがきで訳者がこんな風に書いておられます――「ぼくはこの本を読んで、目からうろこが山ほど落ちた。そうなのぉ!? 生産性って、どうして上がったり下がったりするのかわかってないの!? インフレって経済大崩壊への序曲じゃないわけ!? G7国際サミットって、そんなのどうでもいい代物なの?*1」。この目からウロコ体験は私にもありました。こんなに「え! そうなんだ!」って世界の見方が変わる体験を与えてくれる本ってなかなかないと思います。




 この本で分析の対象にあがっているのは、戦後から90年代半ばのアメリカ経済ついてなので、もちろん現在の状況とはかなり異なっているし、また日本の状況とも違う。でも、理論的な枠組みみたいなものは変わらないし、データを見せられると「うん、そんな数字なら、そうなるわな」と納得させられます。マスメディアによって煽られる出来事と、その出来事がマクロ経済のなかでどれだけの影響力を持つ変数となるのか、この落差がとても面白いと思いました。メディアが煽る社会や技術の変化は、もちろん、それぞれの業界にとっては、重要な物事もあるんだろうけれど(クラウド、とかさ)、そんなので全体が抜本的に変わって、暮らしが良くなったり悪くなったりするわけじゃない、ってことにも今更ながら気づけるし、何がバズワードなのか判断する指針作りもできるような気がしました。今まで私が知らないでいすぎたんだろうけれど*2、オススメしたいです。




*1:以下もいろいろ続くが略


*2:経済学部卒の人はこういうことを勉強するんですかね





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