G.W.F.ヘーゲル『精神現象学』(上)

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精神現象学 (上) (平凡社ライブラリー (200))

精神現象学 (上) (平凡社ライブラリー (200))







 2週間以上かかって半分読み終える。「まったくすごく大変な本を読み始めてしまったな……」というのが今のところの感想で、何一つ内容がつかめないという自信だけがある。世間で言われている「難解な本」、例えば、ルーマンとかアドルノとかを読んできたけれど、これはそれらとは難しさの質が違う。ルーマンやアドルノが含む「難解さ」は独特の言い回しや他領域から借用してきた概念に起因しているように感じるけれど、ヘーゲルにはそういうのはない。むしろ、一文一文はそんなに長くないし、文章も簡潔で、素朴に書いてある。だから、「とりあえず」読めてしまう。


 けれども、読めるからと言って内容が汲み取れるわけではない。不思議と、さっき読んだはずの文章の断片的な意味が、つぎの文章にいくとサッと消えてしまっている。なんっつーか、あまりに素朴過ぎて留まっていかない……というか。サーッと流れていく。そして、ものすごく眠くなる(自分史上最強の催眠効果を持った本でもあった)。


 アドルノはヘーゲルの思想に対してベートーヴェンの音楽を布置していたけれども、ちっともベートーヴェンにならなかった。アドルノが「ヘーゲルは難解」と書いているのを読んで「アンタだって充分難解だよ!」と思ったけれど、この質の違った難しさを前にして「これがベートーヴェンになるには10年ぐらいかかりそうだ……」と思った。今のところ、アルバート・アイラーみたいに響いている。素朴な感じに始まって、いつの間にか訳が分からなくなっているところとか。



Spiritual Unity

Spiritual Unity







 というわけで、アイラーを聴きながら読んでみたのだけれど「このベース、ゲイリー・ピーコックだったのか!!」という全然関係のない驚きがあった。ヘーゲルを、アイラーからヴェーベルンを挟んで、ベートーヴェンへ……と導けたら良いのだけれども、何かヒントになる本があったら教えてください。





2 件のコメント :

  1. ヘーゲルとベートーヴェンは時代が近い人間だから並列して考える人間は多かったりする。
    それから弁証法とソナタ形式の類似性を主題に考えて、論を進める人間とかいるよ。一応。フルトヴェングラーとか。
    とりあえず、精神現象学の次は大論理学だな。

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  2. フルヴェンもそうだったのかー。弁証法とソナタ形式はアドルノもやっていますが「時代が近いから似ている」と批評する人には激しい批難を。時代で言えばゲーテもそうですね。
    大論理学、値段が鬼なので間に何か概説本を挟んでみます。

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