クリストファー・ノーラン監督作品『インセプション』

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Inception
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Reprise / Wea (2010-07-20)
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 クリストファー・ノーランの新作。むちゃくちゃにカッコ良い映画でした。ボルヘスの作品がアイデアの源泉となっているらしいのですが(夢の中でクビライ・ハーンについての詩を書いたイギリスの詩人、コウルリッジについてのエッセイなどがそうでしょうか)、映像は大友克洋(っつーかメビウス?)と攻殻機動隊とメタルギアソリッドをあわせたよう。ゲームっぽい爽快感があるすごいアクション満載。「えええ……こんなのどうやって撮影しているんですかぁ……!?」と驚愕しつつ鑑賞しました。





 設定がややめんどくさいんだけれども、そのあたりがスムーズに説明されているところには「なるほど、こうすればクドクド感が出ずに世界観を伝えることができるのね」という風に思わされましたし、長いのに退屈させないところも良かった。あと、またマイケル・ケインが出てきて面白かった。マイケル・ケインはディカプリオに新しいバットスーツを渡す重要なキャラクターです……というのは嘘で、彼はパリの大学で心理学か精神分析かなにかを教えている先生の役なのだけれども「お、この人はラカン派の人なのか」とか思わせぶるようなところがある(嫌いじゃないぜ、そういうの)。斎藤環先生、出番ですよ、とでも言いたくなる、そういう映画なのかもしれません。





 しかし、夢と現実がテーマで……などと言ってしまうと、そういう言ってしまった瞬間に「あれ、そんなのもう語りつくされてるんじゃない?」と熱が冷めてしまうような映画でもあります。むしろそういう話なら、クリストファー・ノーランよりもずっと押井守のほうが達者でしょう。押井のあのハッタリズム。『インセプション』の元ネタにボルヘスがあるのだとしたら、押井のほうがそれを上手く継承しているように思われます。私としてはディカプリオが異様に執着する「家に帰りたい!」という欲求のほうに注目したい。この欲求が物語のうえで「現実に戻らないとヤバい」っていう設定と重なるのですが、もうホント、ディカプリオがすごく家に帰りたがるのね。早くうちに帰りたい、ってサイモン&ガーファンクルですか。



D


 ってそれが言いたかっただけなんだ。だからなんか別に中身がある映画とは思えなくて、物語の語り口がすっごい上手くて映像がすごくて、異様にカッコ良い映画、というところに落ち着いてしまう。超テクニカルなプログレを聴いているみたいでしたよ。





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