BOZO(津上研太 Birthday Live!) @新宿ピットイン

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私が聴いていたBOZOのアルバムは上記の二枚(ファーストとセカンド)。その後のアルバムは不勉強ながら聴いておらず(聴いたアルバムはどれも大好き……ですがファーストはサックスの録音がペラい感じがするのが残念)ライヴを観たこともなかったんですけれど、たまたまタイミングがあったのでリーダーである津上研太(サックス)の誕生日ライヴという記念すべき日に観にいくことができました――不要かもしれませんが、他のメンバーについてご紹介しておきます。南博(ピアノ)、水谷浩章(ベース)、外山明(ドラム)……と錚々たるメンツ。とにかく腕達者・芸達者で鳴らしたミュージシャンによる新主流派/フュージョン以降の新しいジャズ・バンドとでもいえましょうか。この日は、ゲストに類家心平(トランペット)、市野元彦(ギター)が入っていました。





前半は外山明のドラムが全開。南博と水谷浩章が作るリズムに乗じて、あの浮いたような、ハマっていないようなドラミングが炸裂していました(体幹だけが異様にしっかりとした状態で、手足だけが自由に動き回るあの演奏姿は、マリオネットっぽくてちょっと怖い)。これをライヴで聴いて、思いついたのですけれど、外山のあのドラムはアフロ化したポール・モチアン(ビル・エヴァンス・トリオのときの)的なものなんでしょうか。グルーヴ、とかじゃないですよね。いや、あれをグルーヴとして捉えられないのは私のリズム・耳の悪さに起因するかもしれないですけれど。後半はもう少しジャズ・ドラムっぽかったと思われましたが、最後に左手にカウベルみたいなヤツをもって、指にはめた金属でカチカチ鳴らすヤツを使用したところから再燃。リズム地獄に殺されかけました。でもこれって、南博と水谷浩章がいてから映えるものなのでしょうね。流麗さと重さがベースにあるから、ドラムとうまく音のレイヤーができるような。





津上・類家によるソロは、とにかく燃えました。こうしてスポーティーな感覚ギリギリで、しかもセクシーで……というソロを経験してしまうと、なんかもうジャズは録音で聴かなくても良いんじゃないか(だって生で、録音以上のものが聴けるんだし)などと世迷い言をつぶやきたくなるのですが(舌の根も乾かぬうちにユニオンでCD買っちゃうクセに)、それぐらい強い思いに駆られるようなライヴは記憶にガッシリと刻まれていますから、思い出として反芻されるのですね。妄想的録音、というか。もちろん細部を完璧に記憶できるほどの耳も、記憶力も持ち合わせていないんですが「ああ、あれは良い演奏だったなあ」とか「素敵なソロだったなあ」と抽象化されて記憶に残る。そうしたものがふとした瞬間に思い出されたりするのは、なかなか楽しいことでございます。CDなんかよりも、思い出のなかの演奏が一番美しい、と思ったりなんかして……(まるで、マドレーヌをお茶に浸したりする作家のような発言……)。





市野元彦という方は、すみません、本日初めて名前をお聞きしました。津上・類家のあとのソロでは温度差を感じてしまい、ちょっと乗り切れない部分もありましたが、ピアノが休んでいる曲でのバッキングや、落ち着いたムードになってきたときのソロなどはとても良かったです。そう、ジャズ・ギターって渡辺香津美 みたいなああいうのだけじゃないんだ! こういうマロいのもジャズ・ギターなんだ! と思いました。MySpaceで聴ける曲も素敵なので、改めて聴いてみたいです。





各人のソロが終わるとしかるべきタイミングで拍手が入ったり、ソロのクライマックスのところでしかるべきタイミングで歓声があがったり、また休憩時間中に知り合い同士でデカい声で話し合っているのが軽くウザかったり、とジャズ・マナーが敷かれたライヴに出かけるのは考えてみたらとても久しぶりなことだったかもしれません。ああ、これ、これ、これが東京のライヴ・ハウスで聴くジャズの感じじゃない? と思って、なんとなく趣き深い。人によってはこういうシキタリめいた感じがイヤだ、という人もいるかもしれませんが、なかなか楽しいものです。この素晴らしいレヴェルの演奏が余裕で座って聴けてしまうのですから、オジサンたちには頑張って党派性・排他性を発揮していただき、今後とも古き良きジャズ文化を守っていただきたい(嘘)。





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