尹伊桑の芸術 Vol.6

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尹伊桑の芸術Vol.6【室内楽曲 I】
オムニバス(クラシック)
(株)カメラータ・トウキョウ (2009-11-10)
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嫌韓かまびすしい昨今において韓国出身の作曲家の作品などを聴いていたら、デモなどに熱心なテレビ大好きな方々(右翼、とは違ってただ単になんとなく気に食わないからギャアギャアと騒いぐ赤ん坊的なメンタリティを持っているように端からは見える)に刺されるかもしれませんが(いや、おそらくテレビが大好きな人はこのブログなんか読んでないので平気であろう)2009年にカメラータ・トウキョウから『尹伊桑の芸術』と題するCDシリーズが出ていたことを知り「これは聴かねば!」と意気込んでいる今日この頃でございます。尹伊桑(ユン・イサン 1917-1995)は前述のとおり韓国出身の国際的にも活躍した作曲家。その活動規模は武満徹と並んで、東洋を代表する作曲家だった、と言っても過言ではありません。彼の波乱に満ちた生涯については各自お調べいただくとして、彼がベルリンで教鞭を取っていたときに現在国内外で活躍する日本人作曲家を指導していた、という事実は注目するポイントだと言えましょう。細川俊夫も三輪眞弘も尹伊桑の弟子でした。





全9枚のラインナップについてはこちらをご覧ください。1~3枚目の「管弦楽曲」は80年代に入ってからの交響曲を中心にしたもので、私は別なレーベルから出ている交響曲全集をすでに持っていたため、6枚目の「室内楽」から攻めています。収録曲は以下。



洛陽(ローヤン)~室内アンサンブルのための(1962/64)


ピース・コンチェルタンテ~室内アンサンブルのための(1976)


サロモ~アルト・フルートのための(1978)


箜篌~(コンフ)ハープと弦楽合奏のための(1984)


バランスのために~ハープ・ソロのための(1987)



なお、《コンフ》はナクソスから出ているCDでも聴くことができます。「東洋の響きと西洋の響きとの融合」というテーゼは東洋に生まれたいろんな作曲家が掲げていますが、尹伊桑もまたそのひとり。80年代に入るとその楽想は一気にロマンティックで平明な方向へと流れるのですが(しかし、ベタに東洋感を煽るのではなく非常に洒脱な響きのなかに東洋エッセンスが紛れ込んでいるような感じ)、このCDを聴くと60年代の作品においても基本的な姿勢は変わっていないことが確認できます。この時期ですと既に日本においてでさえ武満徹が《テクスチュアズ》を書いていますから、彼の音楽の響きは斬新なもの、とは言えなかったでしょう。もはや古典的、と言っても良い響きだったかもしれません。しかし、そうした古典的な響きに聴きごたえを感じたりもするのでした。





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