自己啓発というドラッグ(押切もえ 『モデル失格: 幸せになるためのアティチュード』)

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モデル失格 ‾幸せになるためのアティチュード‾ (小学館101新書 24)
押切 もえ
小学館
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こないだ出張中にKindleを持っていったのだが、読んでいたのは押切もえの本だった(Kindleを使って初めて読み終えたのが押切もえとは……と思ったが、紙の本よりも読書に集中できるのでKindle最高)。2時間弱ぐらいで読める軽い本だが、面白い。かつて「スーパー女子高生」と呼ばれ、ギャル雑誌の読者モデルの常連として名を売った彼女が『CanCam』専属モデルとなって成功するまでの半生記である。ドヤ顔で自分が重ねてきた努力をアピールする感じではないのだが、恋人を事故でなくしたり、サーフィンで首の骨を折ったり、と紆余曲折があるなか、自分がいかにダメな存在で、それを乗り越えるためになにをしてきたかが語られている。

字が汚いからペン字の本を読む、とか、情報番組のレギュラーの仕事をもらったから新聞を読む、とか、フルマラソンに挑戦したり、今現在も多方面で活躍中の押切さんであるが、このスポ根じみたアティチュードは継続されているようである。なんでこんなに頑張れるのか、他人からみれば不思議だろうし、押切さん自身もよくそういう質問をされると本書に記している。これは、あれだね、自分を追い込むのが気持ち良い的な自分のなかでSMが完結しているような感じなのか。自分のことを「もともとどん底までまで落ちないと這い上がれないタイプ」と語っているのだが、それを自認してるってなんかちょっとおかしいぞ……。這い上がることが日常になってるって普通じゃないじゃない。

これはもう自己啓発というドラッグにハマっている、と言えるのではないか。あと「新しいノートに、やりたいことを100個書き出してみる」とか、他の自己啓発本の引用とかもあるのも面白いし、そもそも新聞読む、とかペン字やるとか、マラソンとか、その努力のラインナップ自体、なにか世間的に「良いね」と呼ばれるものが並んでいるんですよね。ラカン的に言えば(笑)これは他者の欲望に踊らされている状態ですよ。いつか誰かが止めないと、メンタルとかが疲労骨折をするのでは……と心配になるが、でも、骨折するところまで見届けたいな、とも思い、俺はもう押切さんから目が離せない状態なのである。

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