KIRINJI
ユニバーサル ミュージック (2014-08-06)
売り上げランキング: 759
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高樹(兄)と泰行(弟)の二頭体制の終焉以降、絶対高樹王制が予想されても自然だし、実際、本作も作詞作曲はすべて堀込高樹の手によってなされている。しかし、その楽曲のもつ輝きみたいなものが、これまでレコーディングに参加していたメンバーを含めたミュージシャンによって、まるで乱反射しているかのよう。かつてないほどに多彩で、ちょっとおかしなぐらいに密度が濃いアルバムだと思う。
わたしがこのバンドをリアルタイムで追いはじめたのは『7』の頃から。そこからでは間違いなくこのアルバムが突き抜けて面白い(もちろん、これ以前の作も、なんだかんだ言って大好きで聴く頻度も高い)。詞も楽曲も、まぎれもなく高樹節な感じなのだが、アレンジがものすごく新鮮に聴こえて、全然違うバンドみたいにさえ感じられるのだ。単にコーラスに女性が参加しただとか、違ったタイプのギタリストが参加した、というだけではない、ケミストリーじみた結果には驚かされたし、キリンジとして新しい、というよりかは「こんな音楽もあるのか!」みたいな未聴感まであった。まさに新体制の一発目に相応しい大名盤。
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