畸形ジャズメン、ローランド・カーク。

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 ベートーヴェンとかシェイクスピアとかビートルズとか「王道」を愛好する一方で、なんとも面白さが伝えづらい奇妙な人、私はそういうメインストリートからちょっと外れて固有性を主張している人を「畸形の人」と呼んで同じように愛好している。ローランド・カークというジャズ・ミュージシャンも明らかに「畸形」の分類になってしまう人だ。最近友人に教えてもらったんだけど、なんかすごい。



Inflated Tear
Inflated Tear
posted with amazlet on 06.10.19
Rahsaan Roland Kirk
Warner Jazz (2002/09/23)
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 ローランド・カークは本当によく分からない人である。3本のサックスを同時に吹くという「異形(偉業?)」もさることながら、演奏の方もハードバップ風であると同時に、ソウルっぽくもあり、クラシックも演奏していたりする。ちなみに鼻と口から出す息でフルート2本を同時に吹くのだとか。1967年の『The Inflated Tear』というアルバムも、そのよく分からない感じが存分に詰まっていて「一体何を考えてこの人は音楽をやっていたのだろうなぁ」と思わず悩みはじめてしまいそうな感じだ。その訳の分からなさがとても好きなのだけれど。盲目のミュージシャンとして知られているにも関らず「実は目がばっちり見えていた」と噂されるところとか。


 演奏技術に関してはかなり卓越した人なのだろう。循環呼吸を駆使してコルトレーンの「シーツ・オブ・サウンド」に匹敵するほど音符が詰まった長いソロを取っている。ただ、コルトレーンとはトーンが全く異なっていてカークの場合はものすごく荒っぽいのである。ガトー・バルビエリやアイラー周辺を想起させられる感じ。一聴するとフリー・ジャズっぽい部分もあるのだが本人は「フリー・ジャズなんて大嫌いだ。あいつらはジャズ・ミュージシャンの恥だ!」ぐらいの発言をしている。そんなだから私はカークというミュージシャンを言い表す言葉を見つけるのに苦労してしまう。



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 Youtubeを観ていてぶっ飛んでしまったのがこの映像。バディ・ガイ、ジャック・ブルースとローランド・カークというクエスチョン・マークが百個ぐらい頭の上に浮かびそうなメンツによる演奏。真っ当なブルースのなかに徹底して交じり合わないカークの姿(間違ったヒップホッパーみたいなファッション!)が楽しい。そしてバディ・ガイがカッコ良いなー。





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