最近読んだ漫画について

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妖怪ハンター 地の巻 (集英社文庫)
諸星 大二郎
集英社
売り上げランキング: 28141


 ここ数日は貪るようにして漫画を読んでいます。こちらは諸星大二郎の『妖怪ハンター』。稗田礼二郎という異端の考古学者(なぜか劇中ではジュリーに似ている、という設定)が日本各地の伝承を調査に向かった方々にて、怪奇事件が……というオムニバス形式のミステリ漫画。この『地の巻』に収録された作品のいくつかは以前に紹介した自選短編集*1で読んだことがあったのですが、再読してもやっぱりすごかった。これが『週刊少年ジャンプ』に掲載されていた、という事実がまず驚愕。普通に古文調の文章があったりしますし(それは明らかに少年向けじゃないだろう……)、怖い描写が結構ちゃんと怖い(暗闇から死んだはずの人の顔だけがヌッと出てきたりする。その静かに現れる感じが怖い)。でも、深い教養のなかから大嘘が生み出される感じがとても好きです。





 敬愛する作家、矢作俊彦原作による『気分はもう戦争』も読みました。これもとても面白かったです。陰謀モノの戦争漫画(米ソが裏で手を組んで、中ソ戦争が起こり、日本経済に大打撃を与える……という昨今の陰謀論を20年以上前に先取りするかのようなストーリー)なのかな、と思いきや、矢作俊彦と大友克洋が劇中に登場し『ドン・キホーテ』ばりのメタ・フィクションがあったり、西遊記のような戦場パートがあったり、と手が込んだ作りようで驚きました。やっぱり矢作俊彦はすごいよー……。セリフ回しもハードボイルド・モードの矢作俊彦小説そのもので痺れました。劇中大友克洋は「カニ好き」という設定で登場するのですが、これにまつわるエピソードは矢作俊彦のエッセイ『複雑な彼女と単純な場所 (新潮文庫)』で読むことができます。「大友克洋と一緒に北海道までカニを食べに行くツアー」が超絶的にキマりまくったカッコ良い文章で綴られていて大変面白いです。



まんが道 (2) (中公文庫―コミック版)
藤子 不二雄A
中央公論新社
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 あと『まんが道』の2巻も読みました。こちらはチビチビと文庫を集めているのですが、そうこうしている間に新しい版がでてしまわないか心配(『カムイ伝』はそんな感じで集めている文庫版が絶版になってしまい、中途半端になってしまっている……)。『まんが道』は日本の『失われた時を求めて』みたいな話しだよなぁ……と思ったりします。ブルジョワ階級の話ではないけれど、モチーフはかなり似通っている、と思う。






2 件のコメント :

  1. 稗田礼二郎先生は憧れの方…。ほんとにこんな教授がいたら歴史学科入って民俗学専攻するのに。当時、塚本晋也監督の映画で、諸星大二郎原作の『妖怪ハンター ヒルコ』が公開になって、稗田礼二郎役をジュリーが演じてました。マンガに出てくるジュリー似の話は時事ネタでしたね。

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  2. ええええ……!その事実にめちゃくちゃ驚きました。稗田礼二郎先生をお慕いしていると、そのうち何らかの事件に巻き込まれて、観るも無残な死に方をしそうなので、ちょっと遠慮したいところですが……。

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