ピンチョン『メイスン&ディクスン』を読むためのヒント/メモ #4

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 下巻にはいりまして本日は『メイスン&ディクスン』におけるテクノロジーについて。そもそも18世紀の天文学、あるいは測量術が話の大きなキーワードになっているのが本作なのだから、テクノロジーの話が出てくるのは当然なのだが、本作を読んでいて面白いのがここで語られる18世紀のテクノロジーがその当時の最先端として語られつつ、捏造されたテクノロジーと混じり合い、一種のファンタジーを形づくっているところであろう。たとえば、前のエントリーでも触れた機械じかけの鴨もそのひとつの例だろう。下巻ではディクスンが500キロ以上あろうかという鉄製の風呂釜を磁力を用いた秘技によって軽々と運ぶ、という描写があり、これがとても面白かった。その原理たるや、地球が発する磁力を線として認識し、その線のうえへと平行に風呂釜を載せることによって可能となる、という驚くべきもの。ディクスンにはその磁線が目視できるというのだからさらに驚愕だ。ここにはひとつ、技術を極めれば奇跡のような現象をおこせる、という技術への期待(?)があるように思える。ジョルダーノ・ブルーノが記憶術を体得することによって、世界を司る第一者へと近づくことができる、と考えたような。





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