「シャガール―ロシア・アヴァンギャルドとの出会い」展 @東京芸術大学大学美術館

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 シャガール展、最終日に行ってまいりました。午前中の早い時間から入場制限がかかるほどの大盛況ぶりで、この画家の人気の高さが伺えるのですが、展示内容は結構量が少なくてちょっと物足りなかったかもしれません。「ロシア・アヴァンギャルドとの出会い」というタイトルに打ち出されている主題もよくわからなかった……。マレーヴィチやらカンディンスキーといった前衛の大物たちと交流はあったけれど、それによってシャガールの絵の主題的なところが大きな変化があったか? というところは今回の展示ではわからず、むしろ、シャガールは一貫してプライベートな事柄にフォーカスを当てた画家だったのでは、という風に感じました。フィドル弾きであったり、六芒星であったり、ユダヤ的なモチーフが彼の絵画に登場するのは、彼のユダヤ人としての出自を強く印象付けるものでありますし、また、幻影のなかに描かれたような故郷の風景も、生まれた場所への帰還することに対する憧憬を感じさせる。その憧憬も、言ってみればユダヤ的、と言えるのか。いや、わかりませんけれど、とにかくシャガールの絵には彼の生まれに強く関係づけられた言語があるように思いました。そこが良かった。最近、友川かずきを聴きなおしていて、彼の歌の「訛り」にそういった出自から逃れられないこと、生まれがもたらす宿命みたいなものの強さについて考えていたんですが、シャガールについても同じことが言えるのかもしれない。



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(友川かずき「歩道橋」。これ、完全にピンク・フロイドだよなあ……)





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