台風で外に出かける気もなく、寒いので本を読む気にもならないのでYoutubeからイタリアのプログレ・バンドの動画を集めてみます。この方面に関しては以前に残暑のイタリアン・ロック祭 - 「石版!」というエントリを書いていましたが、ここにある動画の大部分がすでに閲覧できなくなっているので改めて。一番最初にあげたのは、アルティ・エ・メスティエリの再結成ライヴ映像を集めたDVDのプロモーションビデオみたい。フリオ・キリコの大胸筋が健在でちょっと感動。
PFMの映像。詳細はよくわからんけど、下の動画と比べてみるとちょっと泣けます。なんか「あの人は今」感が溢れている。
バンコの映像。これはもうなんかイタリアのプログレ演歌みたいな感じですね。
ニュー・トロルズ。彼らはイタリアのロック・バンドで最古の歴史を持つバンドなんだって(1966年から活動)。こちらの動画は彼らの《コンチェルト・グロッソ》という作品の再演映像。ストリングスのアレンジをルイス・エンリケ・バカロフ(『続・荒野の用心棒』などのサントラを書いてる人)が担当しています。クラシック+ロックというコンセプトを極限まで肥大化させた感じが楽しいです。
イ・プー。1973年のアルバム『Parsifal』から表題作の曲を。なんかいろいろと濃すぎて笑えてしまう。「イタリアのアリス」みたいな感じなのかな。
オザンナ。1973年の映像らしい。よくわかりません。フルートにワウをかけたりしてる。ハードロック+フルートというイタリアの(ダメな感じがする)プログレ・バンドの典型、というか。強烈にダサい感じが、しみじみとキます。
アレア。ここまでで見てきたなかで一番マシな感じがするのは、彼らの音楽が一番国籍不明な摩訶不思議音楽であるからでしょうか。この動画では2:30ぐらいまで即興っぽい演奏で、それ以降に曲が始まる感じです。デメトリオ・ストラトスのヴォーカルは、やっぱり凄みがあるなー、と思いました。演奏はもっさり感があって今聴くと「当時のイタリアのロック・ミュージシャンの演奏技術の最高レベルってこんなもんだったのか」と思うんですが。
レ・オルメ。「フェローナ&ソローナ」という曲。詳細はよく分かりません。この手のイタリア・プログレの音源、19歳ぐらいの頃に縁あった某プログレ雑誌の編集部から借りてきて、ハードディスクに全部保存してたんですが、PCが壊れて全部ふっとんだことを思い出しました。レ・オルメは当時結構好きでした。クラシック系プログレなんだけど、そこまでイナたくない感じが。
ゴブリンの「サスペリア2」。ダリオ・アルジェントがらみで最も有名なイタリアのロック・バンドと言えば、彼らかもしれません(ダリオ・アルジェント作品のサントラの多くをこのバンドが手がけている)。キーボードのクラウディオ・シモネッティはこの後、ディスコ方面にいって高い評価を得たりします。
これ以降大変マニアックなバンドが紹介されていくことになります(Youtubeのすごさが試される)。こちらはPFMのヴォーカリストが在籍したことのあるグループ、アクア・フラジーレの再結成プロジェクト映像(らしい)。初めて聴きますが、普通のハードロックっぽいぞ。
アルミノジェニの1972年のアルバム「Scolopendra」(邦題は『オオムカデ』)。ベースレスのスリーピースバンドみたい。手元にある資料によれば「グループは成功を手にすることなく解散」したんだって。そんなバンドの音源がネットで聴けてしまうこの時代が恐ろしくなりますね……。このもっさり感はモンド方面で評価されても良いのかも。
アルファタウラスの1973年のアルバムから。鳩(?)の胸から爆弾が出ているジャケットが謎過ぎて最高。中身はドラムがバタバタうるさい、演歌っぽいハードロックです。イタリアのプログレってある程度掘ったら、こんなのしか出てこないのかも。
イル・バレット・ディ・ブロンゾ、通称「イルバレ」の2008年のライヴ映像。キーボードの上になぜかパトランプが乗っているんですが……と思って、よくみてたら使ってるシンセ、俺が上司から借りてるシンセと同じヤツだ!!
デダルス。これは正統派っぽいジャズ・ロックで、演奏はもっさりしてるんだけど、結構カッコ良い(1973年)。いや、ここまでで一番カッコ良いんじゃないか!? 聴けば聴くほどアメリカのフュージョンの人ってすっげーなー、と思ったりもしますが、これはこれで。ジャズ・ロック路線を突き進めた頃のソフト・マシーンに3割引きで下手にした感じ。ちょっと好きな感じなので、もう一枚、動画を貼っておきます。
もうキリがないので止めますが(だって何でも出てきちゃうんだもん。Youtube)最後に、クエラ・ヴェッキア・ロカンダの『Il Tempo Della Gioia』というアルバム(1974年)。イタリアの叙情派ロックの屈指の名盤なんだって。もうなんかここでの「叙情派」っていうのが「ヴォーカルがそんなに暑苦しくない」ぐらいの意味な気がしてくる。
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