ルネサンス期ドイツの音楽を聴く

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《ロハマー歌曲集》とC.パウマンの《オルガンの基礎》より14の歌曲と器楽曲/ハンス・ザックス:5つの歌曲
オムニバス(クラシック) メスターラー(アウグスト) ニュルンベルク・ガンベンコレギウム ビッテ=バルトバウアー(マルガレーテ) ブリュックナー=リュッゲベルク(フリードリヒ) アウエ(ルードルフ)
ポリドール (1998-08-01)
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 このエントリでも軽く触れているが、クラシック界のロマン派偏重ぶりにいい加減食傷気味になってきたため、今後は古楽方面に手を出そうと思っていろいろ聴いている。一応、補足しておくと「古楽」とは西洋音楽のなかでひとつのジャンルみたいなもので、中世・ルネサンス・バロック期の音楽をひとまとめにしてこのように呼ぶ言葉だ。なのでレコード店によっては、バッハなどは古楽コーナーに置かれているお店もある。これも改めて考えると大雑把な分類であって「クラシック」といったときにベートーヴェンからメシアンぐらいまで色々あるように、ほとんどジャンル名としては機能していないように思われる。その多様性はもしかしたら「クラシック」以上かもしれない。ほとんど未知のジャンルであるため、何が出てくるかわからない。なので今は毎週末図書館に通ってCDを借りてきて聴いている。





 そうした探求(?)のなかで「これは面白いなあ」と思ったのが上にあげたCD『《ロハマー歌曲集》とC.パウマンの《オルガンの基礎》より14の歌曲と器楽曲/ハンス・ザックス:5つの歌曲』なのだった(絶賛廃盤中)。これは15世紀にドイツで出版されていた楽譜『《ロハマー歌曲集》とC.パウマンの《オルガンの基礎》』からの抜粋と、ハンス・ザックスという靴屋兼歌手兼劇作家の作品をとりあげたものだ。ハンス・ザックスは、いわゆるマイスタージンガーとして16世紀のドイツで活躍していて、とても大人気だった人なのだそう。彼の作品は歌曲というよりは「節」であって、無伴奏で歌われている。当時はマイスタージンガーとして認められた人でなければ新しい節を作ってはいけない、という制度があったんだとかで、こうした歴史的な背景も興味深い。





 しかし、驚いたのは『《ロハマー歌曲集》……』のほうだった。演奏しているニュルンベルク・ガンバコレギウムという古楽グループが使用した楽器は、ヴィオラ・ダ・ガンバ、リコーダー、リュートぐらいしか分からず、ほとんど聴いたことがない楽器の音が聴こえてくる。チャルメラみたいな音だったり、ハーモニカみたいな音だったり、世俗感溢れる賑やかな音が楽しい。そして、そこで歌われるメロディのなんとポップなこと。素朴で朗らかな楽曲の魅力に自然と心が和らぐ。ある種の宗教曲がもつ崇高な癒し効果とはまったく違った癒しの力をこの音楽は有している、と思った。





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