『御馳走帖』は、そんな彼が食に関して綴ったものをまとめたものだ。戦中のモノが手に入らない時代、経済的に恵まれなかった頃の話などふつうなら深刻さが現れてしまいそうなことがらについて書いていても、ユーモラスで、気持ちよい。日本語のリズムも良いんですよね(こういう文章を書ける人が、もう新しくでてこないのだとしたら、それは日本語がなにかを失っていることでもあるのかも、とも思う。初期近世の日本語を読んでいたときも感じたのだけれど)。親交のあった宮城道雄とのエピソードも痛快だし、やはり好きな文章家が、食事や煙草、酒などの自分の好きなモノについて書いているのは愉快な気持ちで読んでいられる。
『御馳走帖』は、そんな彼が食に関して綴ったものをまとめたものだ。戦中のモノが手に入らない時代、経済的に恵まれなかった頃の話などふつうなら深刻さが現れてしまいそうなことがらについて書いていても、ユーモラスで、気持ちよい。日本語のリズムも良いんですよね(こういう文章を書ける人が、もう新しくでてこないのだとしたら、それは日本語がなにかを失っていることでもあるのかも、とも思う。初期近世の日本語を読んでいたときも感じたのだけれど)。親交のあった宮城道雄とのエピソードも痛快だし、やはり好きな文章家が、食事や煙草、酒などの自分の好きなモノについて書いているのは愉快な気持ちで読んでいられる。
コメント
コメントを投稿