Vergilius 『Eclogues』

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ウェルギリウスの『Eclogues(牧歌)』を読みました。使用したテキストは上記のLoeb Classical Libraryシリーズの原文英訳対訳付です。ここでは少しラテン語をどんな風に読んでいったかについて書いておきます。先日の近況報告でもお伝えしましたが、当初、私は辞書を引きまくりながら原文と英訳を見比べつつ読み進める方法をとっていました。しかし、テキストの背景にあるなにかを説明してくれる注釈がないこの本では、神話上の神々の名前や地名といった固有名詞がわからないことが多く、文章が読めても意味がわからない事態におちいりがちでした。困っているところに光を差し伸べてくれたのがやはりインターネット。早稲田大学商学部が刊行している『文化論集』がWebで閲覧でき、そのなかに野村圭介訳の注釈付日本語訳がいくつかあります。

これは原文も併載されており、翻訳との対応を確認しながら読むのにとても便利です(別なテキストを買わなくても、このPDFだけで完結してしまう……)。ただし、全10歌のすべてがあげられているわけではないので、残りは別な翻訳を参照する必要があるでしょう。最後の第10歌については西洋古典叢書の小川正広訳を使いました。

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こちらは訳注が本文の下に配置されていて読みやすいです。ただし、ちょっと訳しすぎかな、という感じがあったり、原文と照らし合わせて読むときは縦書きのレイアウトだと読みにくいです。日本語だけでウェルギリウスの詩の豊かさに触れられる良い訳業だと思うんですが、ラテン語の勉強にはちょっと不向きかも。原文との対比については、英訳を参照して確認し、意味がわからない部分はこの邦訳を参照するという使い方がベストか。

また、ラテン語の韻律についてはこちらのサイトを参照しました。もちろん、これを読んだだけで体系的に韻律が理解できるわけではないですが、こういうリズムで音が流れていくのだよ、というヒントを与えてくれます。読解に韻律の知識が必須であれば、韻律ドリルみたいなものがあると嬉しいんだけれど……(ひたすら反復練習するしか、こういうのは身につかないと思う)。

牧歌的、というとなんだかのんびりしていて、アルプスの少女とかがでてきそうなイメージがあります。しかし、ウェルギリウスの『牧歌』は全然ちがう。狂おしい愛や、土地を追われた者の悲哀が歌われる舞台である自然は神秘であり、歌の魔力によってでしか対抗できないような大きな存在です。自然が神格化されたのもさもありなん。

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