小川 明彦 阪井 誠
翔泳社
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この手の技術書ってツールのインストール方法とかヴァージョンが変わると陳腐化されやすい知識から解説がはじまったりするんだけれど、この本にはそういうのがあんまりない。日夜プロセスやメソッドは改善されていくし、ツールは変化していくけれど「こういう事象にはこういう風に使うとイイっすよ!」というアイデア集として使える。「ウチじゃまだExcelを使って進捗表を作ってるんですよ……」という残念な職場にいらっしゃるIT関係者各位は、これを読んだらまるでRedmineが7つ目のドラゴンボールに思えてくるのではないか。
かく言う私の職場も、こうした便利なタスク管理ツールがなく、大部分の人がExcelで進捗更新して(Notes上に貼られた……)、もちろんそんなの更新がめんどうくさいから、リアルタイムな更新なんかみんなしないわけで、一週間に一度ぐらいしかプロジェクト進捗表が更新されない、なんてザラな環境にあったりするのだった。で、それはあまりに邪悪だ……と思って、せめて自分のチームで使う用にだけでもExcelじゃない進捗ツールがあれば……、と思って、ちょっと前にNotesで作り込んじゃったのね。ホントはRedmineとか導入したかったんだけども、自由な職場ではないので「なんか、こんなRedmineってこんな感じだろう(使ったことないけど……)」と想像しながら。
それは新たな邪悪さの温床では……という感じではあるのだが、これが大活躍で。Excelだとみんな更新してくれないけど、Notesでフォーム作って、ボタンを押せばフィールドに日付が入って、自動で作業状況の集計をしてくれる、ってだけで、めちゃくちゃにリアルタイムに情報が集まり、かつ、たまたま業務でイレギュラーなタスクの割り込みがあったときも「だれがいま一番余裕か!?」っていうのもすぐに把握できるようになったんだよ!!! わざわざ、もう「すみません、いま余裕ありますか……」と雰囲気で恐る恐る作業依頼をしにいかなくても良いんだ!!!!!!
本書を手に取ったのは、Excelじゃないとこんなにありがたい感じになるんだ……じゃあ、ホンモノをRedmineを利用したら、どういうことになってしまうんだろう……と思ったから。読んでみたら「俺の考えたRedmineっぽいモノ」とは、結構違ってて「ウワッ、こういう感じで設計すれば、もっと使い勝手良かったじゃん!(次は絶対パクろう)」とか良いネタ本にもなってくれたし、何より、本書の執筆者たちも「作業の進捗がツールで見えるだけで、こんなに楽になることがあるんだ!」という自分と同じユリイカ感を書いてたのも「そうだよね!」と全力で同意したくなった。
人の管理とかをやりはじめたばかりのIT関係者の方々は、これを読むといろんな発見があると思います。Redmineを導入できなくても、ウォーターフォールでも、職場の状況が見えないことで発生ストレスを、どう解決するかのヒントがたくさん含まれているなかなか射程範囲が広い本だと思います。これキッカケにPMBOKとか、ホントにマネジメントっぽい知識体系にもちょっと興味が広がったりもしたよ。
(なお、現在はHerokuでRedmine動かして、個人的にゴニョゴニョとなにかを試しているところです)
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