こないだヒドく憂鬱な気持ちのままフラフラと本屋に足を踏み入れたら、語学教材コーナーの前で、ふいに「そうだ、フランス語でもやるか」という気がおきて、文法書を一冊買おうと思った。わたしはもうすぐ30歳になる。とりわけ暇な身の上でもないし、なんでもかんでも手を出したとしても、すぐに身に付けられるわけでもないだろう。そういうわけで、語学は英語だけに絞ろうか、それなら身に付くだろう、と思って、数年前にはじめたラテン語の勉強をサボる言い訳を作っていたのだが、どうせ、英語だけに力を注いていたとしてもグローバル人材になるわけでもなく、逆にあれこれ手を出して、余生を無為に過ごすのも良いのではないか、と考え、さらにラテン語の基礎単語をまとめた教材もあわせて購入した。こうして、わたしは、一瞬の出来心のようなもので、ラテン語とフランス語を同時に勉強しはじめてしまったのだった。
買った教材はどちらも長いこと使われていそうなもの、特に評判は調べずに選んだ。
(わたしの買ったものの奥付には『2005年2月 98版』とある。まだこの教科書のなかではソヴィエト連邦が生きている)
(こちらは『平成20年5月30日 第21版』。初版は昭和32年だ)
フランス語やラテン語の学習によって会社員が得られるメリットは一般化できないが、わたしの場合、読んでいる本にフランス語やラテン語の引用がなされることもなくはないので読めるとそれなりに役に立つ。目標はあくまで「読める」レベル。
新しい言葉を学びはじめると、最初の覚えやすくて簡単なところをやっているときが一番楽しい。よって、フランス語はいまが一番楽しい気がする。と同時に複数の外国語を平行して勉強するのは学習効果が高いのでは、と思った。もちろん、フランス語の先祖にはラテン語があって、英語の先祖には古フランス語やラテン語(そしてゲルマン語)があるわけだから、それぞれに親和性が高いのは、当たり前だとしても。
以下に、いくつかフランス語とラテン語を同時並行して勉強して感じたメリットを書いておく。
ラテン語学習の効用に関しては、この教材にも書かれている。
『はじめてのラテン語』よりももっと突っ込んだ形で文法を学びたかったことと、練習問題がついている教材が欲しかったので『Wheelock's Latin』も一通りやった。こちらは英語のラテン語学習書のスタンダード(これで勉強すると英語の文法用語にも身に付くし、ネット上だと日本語よりも英語のほうがラテン語の勉強情報が多いので、英語でラテン語を勉強するのはかなり利に適っていると思う)。練習問題には答えがついていないが、ネット上で有志が公開していたりする。最新の第7版がでてすぐ買ったので、わたしは日本で第7版を持ってる数少ない会社員なのではないか。
なお、わたしが学生時代勉強した第2外国語はドイツ語。かつて、ポルトガル語の入門書も読んだことがあるので、英語の他、仏羅独葡がほんの少しだけ読める、というまことに使いどころがないスキルを身につけつつある。
買った教材はどちらも長いこと使われていそうなもの、特に評判は調べずに選んだ。
フランス語やラテン語の学習によって会社員が得られるメリットは一般化できないが、わたしの場合、読んでいる本にフランス語やラテン語の引用がなされることもなくはないので読めるとそれなりに役に立つ。目標はあくまで「読める」レベル。
新しい言葉を学びはじめると、最初の覚えやすくて簡単なところをやっているときが一番楽しい。よって、フランス語はいまが一番楽しい気がする。と同時に複数の外国語を平行して勉強するのは学習効果が高いのでは、と思った。もちろん、フランス語の先祖にはラテン語があって、英語の先祖には古フランス語やラテン語(そしてゲルマン語)があるわけだから、それぞれに親和性が高いのは、当たり前だとしても。
以下に、いくつかフランス語とラテン語を同時並行して勉強して感じたメリットを書いておく。
「フランス語は難しい」という印象が薄れる
習得が難しい言語として思われているフランス語だが、先にラテン語の文法を一通り学んでいたことによって「全然覚えることが少ないじゃん、フランス語、いけるんじゃないか」と思った。フランス語の名詞には中性名詞がないし、格変化もない。前置詞による冠詞の変化などはラテン語にはないけれども、そもそもラテン語には冠詞がないので、冠詞があるフランス語のほうがわかりやすい。明らかにフランス語のほうが難易度が高いのは、発音規則ぐらいか。しかし、規則が決まっている分、英語みたいにイレギュラーな読み方がたくさんある言語よりも読みやすいと思った。英語の復習も兼ねる
フランス語の文法を勉強しはじめると、最初の方に「冠詞」がでてくる。冠詞は日本人が英語を書いたり、話そうとしたりするときにつまづくポイントのひとつだろう。わたし自身長いことよくわからないままでいたんだけれど、フランス語の冠詞を経由して、英語の冠詞も確認する気になった。フランス語と英語とでは使い方は微妙に違っているから、そのまま英語の復習になるわけではない。けれども、英語だけ勉強しているとわざわざ文法を勉強しなおす気がおきないし、英語をただ読んでいるだけならそのあたりはアバウトでも全然困らない。よって、ずっとわからないままでいてしまう。フランス語を勉強することで英語を振り返る機会が持てるのは良いことと思う。単語を漢字みたいにメージできるようになる
これは単純にラテン語学習による効用。英単語も仏単語も、ラテン語がもとになっているものが多い(上記の『ラテン語基礎1500』では、羅単語に対応する英単語だけでなく仏単語も紹介されている)。また、ラテン語の前置詞の意味・ニュアンスを覚えておけば、ラテン語源の接頭辞の意味がわかるようになる。すると「接頭辞」+「動詞」のような形で合成されてできた言葉の意味を想像できるようになる。たとえば「pro」や「ad」が接頭辞になっていたら、対象に向かっていくイメージが持てるし、「ab」だったら逆に離れていくイメージが持てる。こういうのは「辞書をなるべく引かないで洋書を読むテクニック」としても大事。日本語だったら「魚へん」の読めない漢字がでてきたら「読めないけど、なんか魚なんだな」と思って流して読むのと一緒。つまり、接頭辞を漢字の部首のように読めるようになる。ラテン語の教材
なお、ラテン語の文法教材については、わたしは以下を使っていた。
Richard A. LaFleur
Collins Reference
売り上げランキング: 1,061
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なお、わたしが学生時代勉強した第2外国語はドイツ語。かつて、ポルトガル語の入門書も読んだことがあるので、英語の他、仏羅独葡がほんの少しだけ読める、というまことに使いどころがないスキルを身につけつつある。
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