庄司紗矢香ヴァイオリン・リサイタル@鎌倉芸術館

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曲目


シューベルト/ヴァイオリン・ソナティナ第3番ト短調


ブロッホ/ヴァイオリン・ソナタ


ドルマン/ヴァイオリンとピアノのためのソナタ第2番


ベートーヴェン/ヴァイオリン・ソナタ第7番ハ短調



 新年一発目のコンサートは、庄司紗矢香のリサイタルを聴きにいく。会場の鎌倉芸術館は初めてだったが、非常に音響が良いホールとの評判を聞いていたので期待していったのだが「まぁ、普通かな……」といった感じ。ただ、外装・内装ともに気合の入った設計で(中庭に竹などが植えてある)とても面白い。武家社会的な(?)イメージをかきたてられるストイックな感じの建物である。演奏ももちろん素晴らしく大変満足して会場を後にした。





 なかでも感銘を受けたのは、最初に演奏されたシューベルトのソナティナ第3番である。執拗なまでの繰り返しと、展開しきることのない構造は聴いていてとても眠たくなるのだが、退屈とはまた違った感覚を味あわせてくれる好演で、とくに主題の魅力を余すところなく歌い切るようなアコーギクを堪能できたところが良かった。この演奏家は、やはりガチガチに固められた音楽というよりも、少し隙間のある(遊びのある)音楽を演奏するときに発揮される自由度の高さが素晴らしい。


 


 しかし、メインで演奏されたベートーヴェンのソナタ第7番は期待していたよりもあまり楽しめなかった。テクニック的には最高水準のものを見せ付けられた感じがしたが「これぐらいの演奏ならば、彼女のものを聴かなくても良いかな」と思うぐらい、言ってしまえば「普通の演奏」だったと思う。疲れがあったのかもしれないが、どこかやや散漫にも聴こえてしまった。





 それからピアノ伴奏者のイタマール・ゴランがすごかった。彼の演奏には一切、伴奏するような(ヴァイオリンに沿うような)ところがほとんど見当たらず、終始自分の音楽を展開していたような印象を受ける。とくにベートーヴェンの演奏はすさまじく、ほとんど彼がメインのように聴こえたほどだ。ダイナミクスやルバートのレンジが広く個性的な彼の演奏は、シューベルトではうまく噛みあっていたような気がしたが、ベートーヴェンでは庄司紗矢香の力不足があったかもしれない。





 彼女について「まだまだこれからの演奏家なのだろうな」という気がしたし、次回の来日時にも必ず聴きに行きたいなぁ、と思う。舞台上の彼女は、テレビで観るよりずっと小柄で可愛かったです。



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