サルヴァトーレ・シャリーノの作品集を聴いた #2

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Salvatore Sciarrino: Sui poemi concentrici 1, 2, 3

Kairos (2009-10-13)
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 現代イタリアの作曲家、サルヴァトーレ・シャリーノ(1947-)の作品集を聴きました。私がこの作曲家の作品を聴く機会をもったのはこれで二回目。前回と同じくKAIROSレーベルからでているボックスセットです(3枚組)。3000円ちょっとだからこの手の現代音楽系作品のCDではかなり安い感じがしますね。このボックスには1987年の作品《同心円の詩の上で》が収録されています。1曲40分超の全3曲。例によって日本語解説などついておりませんから、ブックレットの英語をさっと読んだだけですが、80年代に彼が取り組んでいたダンテの《神曲》のテレビ・ドラマのために書いた音楽と同じ素材を用いて作った作品だそうです。シャリーノ自身によるプログラム・ノートもついているのですが、こちらはイタリア語・ドイツ語のみで英訳がないため読めません。





 ダンテの《神曲》は、同心円の階層構造になった世界をめぐっていく話ですから(地獄 → 煉獄 → 天国)、そのイメージなのかな。3曲にわかれているのも《神曲》の3部構成と対応しているんですかね。3曲ともに、独奏者とオーケストラのための作品となっているのですが、これはオーケストラ部分は3曲とも同じなんでしょうか……? そんな風に聴こえるんですが、実際のところよくわからない。弦楽器のハーモニクスや、管楽器の重音奏法、キー・ノイズ……さまざまな特殊奏法が効果的に配置され、静謐で美しい世界をつくりあげているように聴こえます。とくにクラリネットとファゴットの重音奏法が、間欠泉が吹き出すように響くのが何度も繰り返されますが、この音が超良い。下手したらアンビエント・ミュージック一歩手前な感じですが、モートン・フェルドマンをアンビエント的に解釈して聴く方にはオススメかもしれません。いくつか聴いたシャリーノ作品のなかではもっともポップなもののようにも思われました。



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 Youtubeでも全曲聴くことができるようです。音質が良くないので作品の全容まで聴取することはできません。すごい微細な音まで書かれているようなので(ヒスノイズと勘違いしてしまいそうな微小な音で、キー・ノイズが鳴っていたりする)、生で聴いたらこれは痺れそうですね。シャリーノは2011年度の武満徹作曲賞審査員になっていますから、日本で彼の作品を聴く機会も当然あるでしょう。彼の来日がますます楽しみになってくるボックスセットでした。




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