読売日本交響楽団 第522回定期演奏会 @サントリーホール 大ホール

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指揮=レイフ・セゲルスタム
ピアノ=菊池洋子

曲目
モーツァルト:ピアノ協奏曲 第23番 イ長調 K.488
マーラー:交響曲 第5番 嬰ハ短調
12月に引き続き、1月もマーラーを取り上げた読響定期。この日のマエストロ、レイフ・セゲルスタムに関しては、交響曲を200曲以上書いてるとか、その漫画的なヴィジュアルが印象的で音楽は聴いたことなくてもその筋では有名な人であるわけです。よって、ちょっとドキドキの演奏会でした。

まず、前半のモーツァルト。菊池洋子のピアノで協奏曲第23番。これはオーケストラだけでの演奏が冒頭から比較的長く続くのですが、結構、普通だっ! と驚き。その普通にモーツァルトの音楽が聴こえてくるところに、モーツァルトの強さがあるのかもしれませんが、エレガントに流れていくオーケストラの音楽に対して、斬れ味の良い菊池のピアノは一層ハキハキとして聴こえました。この相性ははっきり言って良いとは思えませんでしたが、ピアノは良かったですね。素直に、ああ、モーツァルトは素晴らしいね、まったく、とか思う。アンコールは、セゲルスタムのピアノ曲。なんか指の練習みたいな曲でした(っつーか、なんで、指揮者にサービスしてるんだ……!! そこはもっとモーツァルトを聴かせてよ!!! とも思うんですが)。

で、後半のマーラーですけれど、これはちょっと呆れるほどにスゴい演奏でしたよ。色んな意味で。冒頭のトランペットから随分間をとるなぁ、と思いきや、それだけじゃなく遅いテンポ。「うおお、おっせぇ……これはどっかで速くなるんだろうか……」と待ち続けたら最後まで全楽章遅かった、という。もちろん音楽のうねりはその遅いテンポのなかであるわけですが、元が遅いので感じるドライヴ感や加速度は普通!な不思議な演奏だと思いました。

正直、最初は「ひょっとして、ギャグでやってるのか」と思いましたけれど、聴き続けていると、いや、この人は天才なのでは……と感じることも。そして最終的に、この人は間違いなく天才、っていうか、天然なのだろう……、と結論付られる。交響曲を200曲以上書いてしまうのもきっと素なのだろうし、このテンポもセゲルスタムにはマーラーの書いた楽譜がそのように読めたから仕方ないのです、たぶん。だって、狙ってたらあんな解放感のある音でずっとやれないですよ。正真正銘100%アポロン的な、言うなれば、苦悶するマーラーとは真逆の異常に「深み」のない音楽。

お付き合いするのは大変でしたし、最初のほうは笑いながら聴けたけど、最期のほうちょっとうんざり。でも、この陽の音楽は嫌いにはなれません。オーケストラもお疲れでしょうが聴く方もくたくたになりました。

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