ヴァルター・ベンヤミン 『パサージュ論』(5)

0 件のコメント
パサージュ論 (第5巻) (岩波現代文庫―学術)
ヴァルター・ベンヤミン
岩波書店
売り上げランキング: 382,184
『パサージュ論』最終巻は「ドーミエ」、「文学史、ユゴー」、「株式市場、経済史」、「複製技術、リトグラフ」、「コミューン」、「セーヌ河、最古のパリ」、「無為」、「人間学的唯物論、宗派の歴史」、「理工科学校」の項目と草稿・書簡、さらには編者であるロルフ・ティーデマンによる解題、文献一覧・索引を収録している。残り物ぜんぶまとめちゃいな、って感じなんですかね。真面目に読もうとするならば、ティーデマンの文章は必読なのでしょう。どんな風に読んだら良いのかまでがっつりと語ってくれています(が、これは最初の巻の冒頭とかに置いた方が良かったのでは、という気もする)。ティーデマンはアドルノの遺稿を編集している人でもあって、フランクフルト学派の影響圏でベンヤミンを捉え、パサージュ論に何が書かれるはずだったのかを読み解こうとする。言わばガチな読み方であって、私がこれまで読んできた巻について「ベンヤミンってもっと軽く読んでも良いんじゃないの?」と思っていたのとは真逆です。

バカみたいな言い方だと思うんですけれど、ティーデマンのような読みがある一方でで、いろんな読み方があって良い本だと思います。最終巻を読みながら、「ムネモシュネ・アトラス: アビ・ヴァールブルクによるイメージの宇宙」について考えたりもしましたし、バルザックを読んでみたいなあ、という気持ちにもなる。メモや引用の断片から資本主義のなかで見られた集団的な夢の数々を見て、それをカタログのように眺める、それだけでも充分に面白い本なのかもしれない。人からお借りして読んだものですが、いずれは自分でも買い揃えたいな。


関連エントリー



0 件のコメント :

コメントを投稿