モルゴーア・クァルテット / 原子心母の危機 Atom Heart Mother is on the edge

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原子心母の危機 Atom Heart Mother is on the edge
モルゴーア・クァルテット
日本コロムビア (2014-05-21)
売り上げランキング: 5
日本のトップ・オーケストラのトップ奏者たちによる弦楽四重奏団、モルゴーア・クァルテットの新譜を聴く。当初ショスタコーヴィチの弦楽四重奏曲を演奏するために結成されたこのグループだが、いまでは「プログレの名曲を弦楽四重奏で演奏するグループ」のほうが通りが良いのかもしれない。EMI時代には『ディストラクション ロック・ミーツ・ストリングス』、コロムビアに入ってからは『21世紀の精神正常者たち』、そしてこの『原子心母の危機』でプログレ・カヴァー・アルバムは3枚目(ジャケットが最高だが、レーベル面は『危機』のジャケットをモチーフにしたデザイン。凝っている)。今回はPink Floyd、King Crimson、Yes、Genesis、EL&P(キース・エマーソンのソロ楽曲も)といわゆる「四天王」を取り上げている。

編曲も演奏も素晴らしく、非常に楽しいアルバムに仕上がっているのだが、こうして弦楽四重奏というフォーマットに楽曲が置き換えられると、西洋の伝統的な芸術音楽の形式と、プログレッシヴ・ロックの形式との違いが気になる楽曲もでてくる。EL&PとかYesとか、クラシックの書法がベースとしてあったり、スタジオのなかで長い楽曲をガチガチに構築していったタイプのバンドの楽曲は、違和感がなくハマる。けれどもKing Crimsonの「Red」みたいに、リフの繰り返しがしつこい楽曲はどうしても単調に聴こえてしまった。King Crimsonに関して「バルトークの影響が……云々」と語られることがあるけれど、モルゴーアの演奏によって、バルトークみたいに難しいことをこのバンドは一切やっていないのが分かる。King Crimsonにとってのプログレッシヴ・ロックとは「気難しい顔で演奏するハードロック」だったのではないか、とさえ思えるのだった。

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