近藤淳也 『「へんな会社」のつくり方』

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「へんな会社」のつくり方 (NT2X)
近藤 淳也
翔泳社
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jkondoこと、株式会社はてなの社長、近藤淳也の本を読む。新刊でもなんでもなく、2005年にWebで連載していた記事をまとめたものなので、もうかなり古い本になっていると思うのだけれども面白く読んだ。掲載された写真には、すでにはてなを退社されている著名なエンジニアの姿を確認できたり、はてなブックマークがヒットしてシリコンバレーにいく直前の筆者のノリノリ感がなかなか感慨深い。はてなのサービス利用者として特段の思入れがあるわけではないけれど(はてなユーザーの一部にはそういう人がいる/いたじゃないですか)、個人的には今読むべき価値を感じる本だったと思う。

とくに筆者が思い描く「自由で素敵なインターネット」像は面白い。本書の内容、あるいは筆者の人格が語られるにあたって何度も指摘されているだろうけれど、この人の性善説ベースの考えというか、サービスの利用に厳しいルールを設けないことによって問題があったとしても「悪いものはある程度淘汰されて、最適化されるんじゃないの」という世界観が、「自由で素敵なインターネット」像を何倍もキラキラさせて見せてくれるし、その素敵感は未だに色褪せていない。

情報はどんどんオープンになったほうが良い、だとか、つながりが見えた方が良い、だとか、その後のインターネットは筆者が思い描いていた方向にある程度進んだ、と思われる。しかし、その行き着いた先に息苦しさがあったり、地獄を日々見せられてもいる。オープンにした結果、Twitterで大炎上(と言う名の『私刑』)だとか「自由で素敵なインターネット」からほど遠い現実が散見されたりして、どうしてこうなった、と思わなくもないし、所得や生活レベルの面で格差の拡大が、と言われる一方で、インターネットにも階層ができちゃってるのでは、とも思う(素敵インターネットユーザーと地獄インターネットユーザーみたいに。両者は敷居がなく生活して見えるのだけれども)。

ところで今これを書きながらインターネット(のサーヴィス)で生活が便利になったかを考えていたんだけれども、ちょっとは便利になっていることは認めるけれど、インターネットの進化によって「インターネット利用」が便利になった部分のほうが大きい気がした。

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