清水靖晃 & サキソフォネッツ / ゴルトベルク・ヴァリエーションズ

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ゴルトベルク・ヴァリエーションズ
清水靖晃&サキソフォネッツ
avex CLASSICS (2015-04-15)
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先日テレビを見ていたら化粧品(だったと思う)のCMで流れていて気になった一枚。CM音楽やポップス、それからサックスによるバッハ演奏で有名な清水靖晃による5本のサックスと4本のコントラバスによるバッハの《ゴルトベルク変奏曲》である。この演奏家の名前は、今回のアルバムにも参加している鈴木広志や江川良子(いずれも元チャンチキトルネエドのメンバーであり、近年は大友良英のサントラ仕事にも高い頻度で関わっている)の活動を経由に知っていた。

CMで使われているのは第14変奏なのだが、そこで聴かれるダンサブルなリズムの捉え方は、ほぼ全編を貫いている。アリアのようなゆっくりとした部分では、残響と空白によって空間性を聴かせるような音楽の作り方をしている。多くのリスナーが《ゴルトベルク》といえば、グレン・グールドによるピアノ演奏を思い起こし、本来、チェンバロで演奏されるべく作曲された楽曲であっても、あのピアノの音を記憶しているハズである。そのことを考えれば、このサックスとコントラバスによる編曲も、邪道と言えるはずがなく(そもそもホンモノの演奏とはなんなのか)、この楽曲の新たな側面に光をあてている。

それにしても、サックスのアンサンブルって、素晴らしいものがあるな、と聴いていて惚れ惚れしてしまった。他の管楽器と比べて、サックスという楽器のサイズのヴァリエーション展開は、ヴァイオリンからチェロまでのサイズ展開と似ていてるし、音色の統一性を感じる。それは古典的な木管アンサンブルとはまったく違う世界観がある。オーボエ、クラリネット、ファゴット、フルートのアンサンブルは、まったく違ったキャラクターの楽器同士の共演なのに対して、サックスのアンサンブルは、ピアノの鍵盤にそれぞれの楽器を当てはめて並べられるような秩序だった編成だ。その秩序が気持ちよい。特になぜだか、バリトンサックスの音色に惹かれる。キーがカチャカチャと鳴っている音も好きだ。

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