フランセス・イェイツ 『魔術的ルネサンス: エリザベス朝のオカルト哲学』

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魔術的ルネサンス―エリザベス朝のオカルト哲学
フランセス・イエイツ
晶文社
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久しぶりにフランセス・イェイツの著作を。この邦訳は1984年にでているが『ジョルダーノ・ブルーノとヘルメス教の伝統』の邦訳がでた今となっては、読む価値はそんなにないかもしれない。パノフスキーらによる『土星とメランコリー』の新版に収められるハズが長すぎて本におさまらなくなった論文が本書の一部になっているというこぼれ話は「へぇ」って感じだったし、デューラーとエラスムス、ルター、そしてアグリッパの同時代性から《メランコリア I》を読み解こうとするアイデアはとても面白く読んだ。

ここで、イェイツがやっているのは、ヨーロッパの思想界にはカバラだとか魔術だとか、今では怪しげなものとされているものが脈々と受け継がれていたんだよ、その水脈は実はシェイクスピアの創作にも流れ込んでいて、影響を与えているんだよ、と言った話だ。しかしながら、登場する人物は、おなじみのラインナップ、不動のクリーンナップ感が満載で。この人の本は3冊ぐらい読むと、毎回同じ登場人物によって角度の違う文化的背景を描き出す作業をしてるんではないか、と思えてきて、非常に不遜な物言いだけれども、飽きてくる……。手を変え品を変えはするが、基本的には同じことをやっている人、って個人的には好きな部類なんだけれども。

まだまだこういう裏・ヨーロッパ的な文化史(もっとはっきり言うと高山宏や澁澤とか好きな人たち)には需要があるとは思うんだけれど、なんだろう、わたしもオトナになってしまったのか、前より面白く読めない。古書でまぁまぁ手頃な値段で売ってますので、イェイツ入門には良い本なのかな。


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