オール・カインズ・オブ・ピープル~ラヴ・バート・バカラック~プロデュースド・バイ・ジム・オルークposted with amazlet at 10.04.19ジム・オルーク
AWDR (2010-04-07)
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最近ではジョアンナ・ニューサムの新譜のミックスをおこなったりもしていたジム・オルークの新譜。去年もソロ・アルバムを発表していたし、大変働き者である。今回はバート・バカラックのカヴァー・アルバムで、ヴォーカルで参加しているアーティストが細野晴臣、サーストン・ムーア、カヒミ・カリィ、坂田明、中原昌也(!)……今をときめくやくしまるえつこなどなど名前をあげるだけでも目が眩みそうな面々が名を連ねている。演奏で参加している人たちも、ドラムはウィルコのグレン・コッチェ、勝井祐二、黒田京子……などとスゴいラインナップだ。なんとなく大友良英の『山下毅雄を斬る』や『see you in a dream~大友良英 produces さがゆき sings~』を思い出してしまった。もちろん、音はぜんぜん違うのだが。
ここで大友良英とジム・オルークの共通点を「働き者」で「ギタリスト」で「プロデューサー」なんて具合に並べても仕方がないのだけれど、どちらのミュージシャンもその人にしか作れない独自の世界観を音によって呈示できる人なのは確かだ。ジム・オルークの世界とは私にとって、無垢で瑞々しく、しかしいたずらっぽい「こどもの世界」である。それは今回の白を基調としたアルバム・ジャケットのイメージともリンクする。こどもの世界の再現、あるいはその世界への憧憬、とでも言うのだろうか。日常のあわただしさの隙間に、そういった楽しげな世界がスッと滑り込んでくる。この瞬間がとても良い。ひとりの音楽消費者として、こういう音楽に出会えたことをとても嬉しく思った。
また、青山陽一の歌をこのアルバムで初めて聴いて「このメガネの人は、こんなステキな歌い手だったのか!」と驚いた。こういう企画盤は知らない人に出会えるのも楽しい。
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