平井浩「ルネサンスの種子の理論 中世哲学と近代科学をつなぐミッシング・リンク」(『思想』2002年12月号)

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 『ミクロコスモス』(id:microcosmos2010)の編者であり、Bibliotheca Hermetica*1の主宰である平井浩氏の論文を読む。論文はこちらからダウンロード可能。大変面白く、勉強になった。こういうものが無料で読めてしまうのが恐ろしい……。論文のストーリーを簡単にまとめると「自然の各事物の個別性を決定するもの」について、人はどのように考えてきて、そしてどのように近代科学の原子論・分子論へと発展したのか」というところになると思う。『ミクロコスモス』で精神史の世界に踏み入れたなら、次にこの論文を読んでみると『ミクロコスモス』で呈示されている世界観の豊かさがより一層愉しめるようになるだろう。





 高校までに学ぶような世界史観からすれば「近代のはじまりには何か爆発的な革命があって、それが現代にいたるまでの進歩につながった」みたいなストーリーを描きがちである。「科学革命」なんてことだし、私もそういう風に思っていた。しかし、この論文が言うところには「『革命』なんて言い方は、歴史の断絶を認めるものだろう。ちゃんと流れを調べていくと漸進的な発展があるのだ」という意図があるように思った。論文のネタバレになってしまうが「近代科学の基礎を築いた巨人たちの一人であり、合理的な「機械論者」といわれる原子論者ガッサンディと「神秘主義の錬金術師」というレッテルを張られて片づけられがちなファン・ヘルモントが、セヴェリヌスの『哲学的医学のイデア』という全く同じ典拠を共有し」ていたのである。そういう意味で、これは歴史の連続性、っていうのを強く感じさせる論文だと思う。ミッシング・リンクをつなぐ、という論文の副題はどこにも嘘がない。






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