ダーティハリーをシリーズ全部観るよ #2

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ダーティハリー3 [Blu-ray]
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 「3」になると音楽がラロ・シフリンじゃなくてジェリー・フィールディングになっている。この人、『ワイルドバンチ』なんかも手がけてるいわゆる大家らしいんだけど「もし、バーンスタインがジャズ・ロックを手がけたら……」みたいなインチキくさい音楽を書いていて、なんとも言えない味わいだ。ハリウッド風のジャズ、というか、ホンモノのジャズっぽくない感じというか。初めて『こけざる組曲』を聴いたときに感じた「ニセモノっぽさ」と似ている。これだけでもかなり違和感があるのだが、「2」までとは明らかに別物っぽい映画な気がした。まず、イーストウッドがかけているサングラスが、「2」まではスポーティな感じだったのに、ティアドロップ型の松方弘樹がオーストラリア沖でカジキマグロを釣るときにかけてるヤツみたいになってるし、「1」でキャラハンの上司っぽい人をやっていた人が「3」でまた出てくるが、すごく顔色が悪かったりする。





 ここでもキャラハンVS制度(あるいはシステム)の対立は描かれている。今回は選挙前に人気取りに奔走する市長とその取り巻きやら、女性の積極的な社会参入みたいな流れが、キャラハンの「悪党なんか殺しちゃえば良いんだ」イズムの邪魔をする。「3」のホントの悪役は、時代遅れのヒッピーくずれ。こいつらが武器倉庫を襲って、バズーカやら爆弾やらを手に入れ「お金をよこさなかったら、暴れるぞ!」と脅迫状を出すのだが、大した主義主張もなくほとんど行き当たりばったりに行動しまくる。キャラハンはそれを追うのだが、相手に主義主張がないせいか、彼がなぜこんなに頑張るのかがものすごく不明瞭だ。敵に相棒が殺されたからか?(この殺される相棒は『2』で射撃大会に出てた人だった)一向に、理由はわからないが、イーストウッドが頑張る。敵から奪ったバズーカを敵の最後の生き残りに向けて放つ。皆殺しである。途中で停職になってるのに。





 はっきり言って不細工な映画なんだと思う。でも、妙に愛らしく思えてくるところが不思議だ。一応、正義のために闘っている風なのだが、彼が守っている正義は、敵のヒッピーくずれと同じくらい陳腐なものであることが明らかになる。この点にキャラハンも気がついている。上司も市長もどうしようもない阿呆である。にも関わらず、自分はそのために頑張ってしまう。放っておけば良いのに、イーストウッドが頑張っている。ほとんど病気の正義漢。そこに魅力を感じてしまうのかもしれない。なんだかすごく好きな作品である。





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