ルイス・ブニュエル / 欲望のあいまいな対象

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欲望のあいまいな対象(1977) [DVD]
ジェネオン・ユニバーサル (2012-04-13)
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ユニバーサルが版権を持っているらしい名作映画が軒並み安くなっている。そのなかにいくつかルイス・ブニュエルの作品があったので買い込んでちょっとずつ紹介しているところ。『欲望のあいまいな対象』は1977年、彼の遺作となった作品だったそう、だが、これが遺作ってブニュエルすごすぎ。よく「ひとりの人物のなかにふたりの精神が宿っているようだ」などという設定はあるけれど、ここでは「女性の二面性を一人二役ならぬ、二人一役で演じさせる」という思いついても誰もやらないことをやらせていて、その誰もやらないことを本当にやってしまう、と想定した以上の意味を醸し出してしまう、まさにイメージのマジシャンとも言うべき奇蹟のような作品。そして、遺作まで「欲望が充足されることなく生殺しのような状態で空回り・反復し続ける」というお話だというのは、ブニュエルは生涯に一本しか映画を撮っていないのでは、などと妄言を放ちたくなるほど。

キャロル・ブーケとアンヘラ・モリーナ
ヒロインのコンチータを演じる二人の女優、キャロル・ブーケ(痩せたボディに良いおっぱい)、アンヘラ・モリーナ(豊満なボディに良いおっぱい)も素晴らしく(主におっぱいが)、そこに欲情するフェルナンド・レイのエロ紳士っぷりはあまねくヘテロセクシャル男性諸氏が目標とべき、いやらしさ。鉄格子の隙間越しに髪の毛の匂いを嗅ぐ、などあからさまに変態感出すシーンが気持ちよいほど気持ち悪い。こんな風に太ったり、ヒゲをはやしたりしたいし、『ブルジョワジーの秘かな愉しみ』もそうですけれど、ガチガチに高級感あるファッションも素敵。

序盤にでてくるあからさまにニセモノのネズミの死骸は、なるほど冨永昌敬の『パビリオン山椒魚』は、こういうところから……、まさかこの展開って……と匂わせつつ、本当にその展開を迎えるラストは、阿部和重の『シンセミア』を彷彿としました。良かった。

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