自由の幻想(1974) [DVD]
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ジェネオン・ユニバーサル (2012-04-13)
売り上げランキング: 1506
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ルイス・ブニュエル、1974年の怪作……ブニュエルの映画で怪作でないもののほうが少ないかもしれませんが、ここまで突抜けて「え、なんなの?(楽しいから良いですけれども〜)」という映画を観てしまうと、もはや清々しさしかありません。ゴヤの『1808年5月3日、プリンシペ・ピオの丘での銃殺』のエピソードから始まり、もしかしてこれは社会派映画なのか、という予感を与えつつ、ストレートにそれが表現されるわけもなく、脱線と脱臼の連続、意表をつくイマジネーションの発露の連続によって戯画が描かれ、映画は循環するように最後のエピソードへ流れこんでいく。なぜ、いきなりSMプレイが始まるのか、なぜ全裸の女性がブラームスの《ラプソディー》を演奏するのか……。もし、集合的無意識が夢をみるとするのなら、ブニュエルの映画のなかに投影されるにちがいありません。
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