竹宮惠子 『地球へ…』

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竹宮 惠子
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70年代SF少女漫画の金字塔のひとつを、ガンダムと宇宙戦艦ヤマトとナウシカの要素が混ざったような話だな〜、と思いながら読む。メカニックなディティールについては一切触れられずストーリーが進行するもののメカ・デザインとかすごく良くて、かつ、終盤の戦闘シーンなんかイデオンやマクロスの戦闘シーンみたいでカッコ良いなあ、と。宇宙戦艦や宇宙戦闘機が強力なエスパーと戦闘を繰り広げるところとか、すげーカッコ良い。『童夢』ぐらい痺れるものがあるなあ……と、軒並み自分の知っているものの範囲で読んでしまったが面白かったです。

本作における徹底した管理社会 VS 新人類……という物語の構図は、目新しいものではなく、それこそオルダス・ハクスリーや、ジョージ・オーウェルなどの古典からくる「ディストピア小説」のフォーマットを踏襲している、と言って良い。そこでふと思ったのが、一体いつから管理社会が悪いものとして描かれるようになったのか、ということだった。例えば、プラトンの『国家』アリストテレスの『政治学』にだって立派な管理社会が構想されているし、カンパネッラの『太陽の都』もその流れをハッキリと継承するユートピア小説である。ガチガチの管理社会は、理想郷として描かれてきたハズなのに、歴史上どこかの時点でディストピアに転んでしまっている。この転倒がどこはじまりなのか、が今回『地球へ…』を読んでいて気になってきてしまった。管理されないのが人間的で素晴らしい的な、自由万歳的な機運によって、その転倒がおこったのであれば、そのなかに人間と言う存在の概念の変化を見いだすことができると思うし、ひとつ掘り起こしてみたいテーマである。

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