日本におけるブラジル音楽シーンでは、著名なギタリスト助川太郎のソロ・アルバムが届く。このアルバム、ミュージシャン自身のTwitter経由で直接購入したんだけれど、アルバムにはこんなメッセージが同封されていて、聴く前から心のガードがユルくなりました。
本作は、一部の楽曲でゲスト・ギタリストとして尾尻雅弘を迎えながらも、基本的にはギター一本で構成されたすごくシンプルな一枚となっています。とはいえ、取り上げられている作品は、バーデン・パウエルやジョビン、ヴィラ=ロボス、ミルトン・ナシメントといったブラジルを代表する音楽家のスタンダードな楽曲のほかに、ブラジル音楽界の鬼才、エグベルト・ジスモンチやエルメート・パスコアール、ブラジルから離れてセロニアス・モンクやヴィクター・ヤングのジャズ、クラシックからはバッハ、現代ギター音楽からはラルフ・タウナー、日本からは中村八大と林光、と非常に広い範囲にわたっている。そうした楽曲の彩りが統一感をもって響いてくるのが素晴らしく、気持ちよく聴けてしまう。親密な空気をもった音色は時にパーカッシヴに変化し、ギターという楽器の表現力を改めて伝える一枚でもありました。この夏一番の快適音楽かもしれない。
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