ルネサンスと宗教改革が出会って……(エルンスト・トレルチ 『ルネサンスと宗教改革』)

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ルネサンスと宗教改革 (岩波文庫)
エルンスト トレルチ
岩波書店
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トレルチの名前はこの本を読むまでまったく知らなかったのだが、マックス・ヴェーバーとも親交を持ち、かなり広範囲で著作を残した学者だそうで。本のタイトルで適当に「ルネサンスと宗教改革の歴史について書いたものかな〜」と思ったら全然違っており、語り口はガチ哲学というかガチ社会学のものだし、しばらく社会学の本を読まなかったら、歴史学の本が踏む手順は丁寧だな〜、社会学の記述って不親切だな〜、と思ったりした。もちろん、この不親切感というか記述に置いてけぼりにされてる感は、19世紀生まれの学者の想定読者とわたしの知識レヴェルが全然違うせいだけれども、あれこれ知ってる前提で書かれる文章に出くわすと、途端に自分が阿呆になったのでは、と感じてしまうよ。

本書は、近代のはじまりにルネサンスと宗教改革を置く史観(中世はこの2つのムーヴメントによって断絶された!的な)に対して、おい、ちょっ、まてよ、的な一声をかけ、それぞれのムーヴメントがどんな性格を持っていたのかもうちょっと細かく見てみようじゃないか、という本。話的にはほとんどメンタリティーの話になるため、これもひとつのインテレクチュアル・ヒストリーかもしれないが、粒度が荒く、議論のスピードが速く、前述の通り、色々知ってる前提で書かれているため「へぇ〜、そうだったんだ〜」的な発見に乏しい。なので、今なら色々知ってる人が、サラッーと読み流すと、ふーん、そうかもねえ〜、とか思ってしまう本なのかも。

とはいえ、全然面白くないわけではなく、ルネサンスというムーヴメントを、あんまりムーヴメントっぽく描いてないところは新鮮に思え(おっしゃー、ルネサンスきたぞー! と自覚的に運動してたわけではなく、なんかたまたま同じく古代人の感覚ってよくね? と思ってた人がポコポコとでてただけ、という評価)、これに対して宗教改革はムーヴメントだったわけで、性格も全然違うし、たしかにこの2つの現象を「近代のはじまり」とするには、おい、ちょっ、まてよ、全然違うじゃん、と思うのはたしかなのだ。トレルチはこの全然違うもの2つの現象の合流点に啓蒙主義を置く。しかし、ここでも啓蒙主義の知識人のメンタリティーが人ごとに語られるところのほうが面白くて、イマイチ、どう混ざったのかが読み切れないのだった!

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