『ヨーロッパ退屈日記』は60年代の外国暮らし経験を元にしたエッセイだが、時に辛辣で、時にナンセンスで、ほとんど嫌味に近い「ホンモノ志向」が展開されているところが良い。こんな具合である——「やっぱり手袋はペッカリがいいでしょう。コートは、やっぱりカシミヤがいいでしょう。眼鏡はツァイス、ライターはダンヒルの純銀(……以下略)」。初出から半世紀ほどが経ち、日本でも「ホンモノ」に触れられるようになった今なお、面白さは色あせていないのではないか、と思われる。嫌みに近いが、嫌味ではないのは、そこに文化へのリスペクトというか、敬愛を感じるからなのかも。しかし、カッコ良いよなあ……。天才は時代を超えるんだな、と思った一冊。
『ヨーロッパ退屈日記』は60年代の外国暮らし経験を元にしたエッセイだが、時に辛辣で、時にナンセンスで、ほとんど嫌味に近い「ホンモノ志向」が展開されているところが良い。こんな具合である——「やっぱり手袋はペッカリがいいでしょう。コートは、やっぱりカシミヤがいいでしょう。眼鏡はツァイス、ライターはダンヒルの純銀(……以下略)」。初出から半世紀ほどが経ち、日本でも「ホンモノ」に触れられるようになった今なお、面白さは色あせていないのではないか、と思われる。嫌みに近いが、嫌味ではないのは、そこに文化へのリスペクトというか、敬愛を感じるからなのかも。しかし、カッコ良いよなあ……。天才は時代を超えるんだな、と思った一冊。
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