女の一生は超ヴァイオレンス!

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女の一生
女の一生
posted with amazlet on 06.12.02
モーパッサン 新庄嘉章
新潮社
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 「仏文はエロいという幻想を打ち破るために」シリーズ第4弾、読んだのは19世紀の小説家、モーパッサンの『女の一生』。高校世界史の文化史でも名前が出てくるような「古典的な傑作小説」だけど、読んでみてびっくり。強烈にヴァイオレンスな印象を植え付ける悲劇が描かれている。「可憐で純真無垢に育てられ、修道院から戻ってきた田舎貴族の娘ジャーヌが没落し、不幸のどん底に叩き落されるまでを描いたジェット・コースター・ノヴェル」とでも言えるだろうか。


 性の営みへの戸惑いなどありつつも、ジャーヌが結婚するまでは幸福が増していく感じで書かれているんだけれど、結婚相手のジュリアンという男が酷いヤツで。美男子で愛想良く振舞っていたのが、ある日一点、ケチケチと金の算段ばかりするようになり、それからセックスばかり強要するようになる……というところからだんだん加速度的にジャーヌの不幸は増していく。このジュリアンという男、ケチの他には女癖が悪くて、女中を孕ませたり、友達の嫁と不倫してたりしてね……。まぁ、それが元で不倫相手の旦那に猟銃でぶっ殺されんだけど(顔とかもうグチャグチャ)。とにかく小説後半の不幸がテンション高すぎて、爽快といった感さえある。他にも、キチガイみたいな神父さんが分娩中の犬を叩き殺すシーンなどあり、暴力に溢れてる。まるで「タランティーノが監督した昼ドラ」というか。作者のモーパッサンは「ささやかな真実」というけれど、どこが「ささやか」なのだ、と。


 「エロさ」は淡々と自然なものとして描かれているため「普通」。初めてジャーヌの元にオーガスムがやってくる瞬間の描写などは、もはや喜劇としか言いようがない。「やっぱ、背徳感とか屈折して無いとエロは感じないよねー」などと思う。ただ、19世紀フランスの田舎における性風俗が結構面白い。婚前交渉なんて当たり前で「結婚」というものが「子供が出来たから仕方なくするもの」として考えられていた、というあたりがすごい。フランス革命以降の話だよ、これ。「出来ちゃった婚は、どうも恥ずかしいよねー」なんて言ってる場合じゃないっすよ。「歴史的に見れば、出来ちゃった婚の方が普通なんだよ!」とか言って正当化すべき。嘘だけど。





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