怖くない哲学の本

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世界の名著 62 ブレンターノ・フッサール (62)
ブレンターノ フッサール 水地宗明
中央公論新社
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 年始には「今年は現象学を読むぞ!」と息巻いていたのだが、結局一冊も読むことなく年末である。「なんとなく……」という程度の興味なので別に良いのだが、やっと1つブレンターノを読むことが出来た。ブレンターノと言っても、ドイツ・ロマン派の作家であったクレメンス・ブレンターノではなく、その甥っ子フランツ・ブレンターノの方。フッサールの著作と一緒に入っている本を古本市で210円で買った。


 読んだのは『道徳的認識の源泉について』という講義録。翻訳も「です・ます体」で優しい感じの日本語に移されている。これは怖くなくて、面白かった。私がこのブレンターノのことを知ったのは、ニクラス・ルーマンの著作で触れられていたことが始まりだったのだが「ブレンターノをルーマンはこんな風に言い換えたんだなぁ」などと考えながら読む(シュッツについてはほとんど知らないので)。例えば「心的現象の基本的な組み」の3つ、表象、判断、情動について「判断と情動においては是/非という指向的関係の対立がある」とブレンターノは言ってるのだが、「ああ、二分コードのことか?」とか思う。計量できない知覚の比較に関しても、なんかあったなー、とか。



一本の上等の葉巻をふかすときの自分の快を127回、あるいは1077回加え合わせると、ベートーヴェンのシンフォニーを聞くとき、あるいはラファエロのマドンナを見るときに自分が経験する快の分量にぴったり等しい、などと主張するとすれば、どんなに笑いものになることでしょう。



 という言い回しがとても気に入っている。こういう気に入った言い回しを集めて一冊の本にしたい。





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