ロード・ダンセイニ 『時と神々の物語』

0 件のコメント
時と神々の物語 (河出文庫)
ロード・ダンセイニ
河出書房新社
売り上げランキング: 445,037
久しぶりにダンセイニを読んだ(ブログの過去ログを検索してみたら2009年に『世界の涯の物語』『夢見る人の物語』を読んでいたらしい)のだけれど、いやあ、実に良いな、と思ったね。この作品集には処女作『ペガーナの神々』を含む初期作品、それと晩年の短編を多く収めている。『ペガーナの神々』はダンセイニによる神話の創造だ(創造の神話ではない)。そこには明瞭な意味や教訓らしきものはハッキリと提示されているわけではない、というか大半が「なにがかかれているのかよくわからない物語」である。だからこそ、それは神話らしいファンタジーになる。マーナ=ユード=スーシャーイ以外は、神々さえも儚い世界で展開されるお話は、高貴なる退屈さ、とでも言うべき独特な味わいがある。これはもう「貴族」にしか書けない話だと思う。日銭についてあれこれ思いを巡らす凡夫には、到底生み出せなさそうだ。晩年の短編は、嘘とも誠もつかない愉快な話も多くて、これはこれで優雅な愉しみがあるのだなあ。

0 件のコメント :

コメントを投稿