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BUCK-TICK / 或いはアナーキー

或いはアナーキー(初回限定盤C)(DVD付)
BUCK-TICK
徳間ジャパンコミュニケーションズ (2014-06-04)
売り上げランキング: 29
BUCK-TICKの新アルバムである。昨年はデビュー25周年記念のドキュメンタリー映画が公開されたりなんかして賑わいが絶えない感じであったが(映画は結局いまだに観れていない……限定版商法みたいなのがツラい……)、いや、今回のアルバムはブッ飛んだ。BTをものすごくザックリどんなバンドか説明すると「BOØWYの多大な影響を受けた北関東ヤンキー文化によるゴシック / ニューウェーヴの畸形的解釈」とでもいうべきなのだろうけれど、そういうバンドが今『或いはアナーキー』というタイトルなのだから、なんというのだろうか、25年以上の年月をかけて「勘違いした解釈が、正典にたどり着いた」という異様な感慨がある。ここで顧みられている19世紀末〜20世紀前半のフランスで盛り上がった前衛や頽廃趣味は、従来の「死」や「暴力」といった純粋ヤンキー的な文化の耽美的解釈を通り越して、ホンモノらしさに満ちている。いや、櫻井敦司の歌詞は従来通りのお耽美な感じなのだが、今井寿が書く歌詞ってこんなに良かったか……と驚いてしまったよ。かつてASKA的な「SAY YES」によって逮捕された人だけあって、そっち関係の飛んでいる歌詞はスゴいな、と思ったけれど。

音楽的にも、ここ数年の方向性の彷徨い方(もちろんそのとき、そのときで最高だったワケだけれど)がついに定まったのではないか……。初期の純ビートパンクみたいな楽曲もありつつ、打ち込みもありつつ、で集大成感がものスゴい。様々なところにフックが隠されていて、今井寿と星野英彦のソング・ライティングの性格がアルバムのなかで絶妙なバランスをとっている。樋口豊のベースがバンド全体を引っ張っていく感じも過去最高に強烈だ。あんまりテクニカルなことをやっているわけではない、というか、基本ルート弾きかヒッジョーにシンプルなリフレインを繰り返しているだけなのに、時にピーター・フック以上の存在感を見せているのは驚異である。これもまた、長年活動してきたバンドならではの調和、なのだろうか。BOØWYやX-JAPANや、LUNA SEAが解散したり、活動休止したのに対して、BUCK-TICKはそうした休止をしなかったのにも、そうした各メンバーの関係性が起因しているのかも。とにかく超スゴいアルバムです。

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