パウル・ヒンデミット《画家マチス》

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ヒンデミット/交響曲<画家マティス>
バーンスタイン(レナード) イスラエル・フィルハーモニー管弦楽団 ヒンデミット
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 今度演奏する機会をいただいたので、パウル・ヒンデミットの《画家マチス》を聴いている。この作品は、フランスの画家、アンリ・マティスではなく中世ドイツの画家であったマティアス・グリューネヴァルトの生涯を取り扱ったオペラを交響曲として編曲したもの*1。演奏はレナード・バーンスタインが最晩年にイスラエル・フィルを振ったものが異常なテンションに包まれており、素晴らしい。自分が参加する演奏がどのようなものになるかはまだ練習が始まらないので分からないけれど、このような熱を感じるものになったら良いな、と思う。



Mathis Der Maler Symphonys.s.
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Paul Hindemith
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 スコアを片手に聴いていると改めて面白い作品だな、と思う。作曲されたのは1934年。この頃既に「無調/12音音楽」という手法が新秩序として打ち出されているのだが、聴いた感じはとてもクラシカルだ。しかし、用いられる旋律などはどこかハッキリしないものがあってすごく独特。その「ハッキリしない旋律」を実に厳格な書法によって変奏していくところが非常に魅力的である。1楽章で登場するフーガの書き方なんて実に上手いなぁ、と思う。あと和声の動きも変で良い。綺麗なんだけれど、なかなか解決に向かわず息の長い流れを作り出しているところも面白い。この和声と拍の書き方によって、浮遊感が生まれているような感じがする。このフワフワとした感じは、すごく非ドイツ的であると思う。


 余談だが、チャーリー・パーカーがこの作曲家に対して真摯な愛情をもって耳を傾けた、という話がある。どこで読んだか忘れたけど「あのコード・ワークを俺は真似してるんだよ」とかなんとか言ってた気がするんだけど、個人的にヒンデミットの音楽と近く聴こえるのはチャーリー・パーカーよりもマイルス・デイヴィスだったりする。特にモード期に入ってから彼が吹くソロの浮遊感とか。



Miles Smiles
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Miles Davis
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 理論的なことは実際にはよくわからないのだけれども、ヒンデミットも教会旋法を復古して作曲を行っていた(つまり、マイルスより30年ぐらい早くモーダルな音楽を作っていた)、というし似ていると感じるのは当たり前なのかもしれない。(マイルスの曲じゃないけど)「Footprints」の地に足がついて無い感じは、ヒンデミットっぽいな、と思う。もしかしたら、トニー・ウィリアムスのドラムに秘密があるのかもしれないが。




*1:グリューネヴァルトの絵はこちらで観ることができる





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