JAZZ THE BESTで聴くエリック・ドルフィー

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 今年の春よりユニバーサルが展開している「JAZZ THE BEST」というキャンペーンでは、ジャズの名盤が一律1100円という超低価格で聴くことができます。全150タイトルのラインナップにはビル・エヴァンス、マイルス・デイヴィス、ソニー・ロリンズ、セロニアス・モンク……といったジャズ界の超有名人はもちろん、エリック・ドルフィーなどがちゃんと押さえられているのも嬉しい。






 ドルフィーとブッカー・リトルとが熱くやりあってる名演奏を収めた『At The Five Spot』も1100円。これはもう是非、聴いていただくしかないです。二人のフロントマンがワンコーラスに極限まで音を詰め込んでいる様子は、“ハードバップの極北”を感じさせます。緊張感のあるセメントマッチをみせられるよう(ですが、このライヴの後すぐに、ブッカー・リトルは23歳で亡くなってしまう)。








 『At The Five Spot』から二ヶ月後に単身渡欧し、ヨーロッパのミュージシャンと組んだライヴ盤3枚も1100円(まだ持っていなかったので、今回のキャンペーンで一気に購入しました)。ドルフィーのソロは素晴らしいのですが、相手をするヨーロッパのミュージシャンがイマイチなのがすごく残念に思います(個性的なドルフィーの音楽を受け止め、相対化できるミュージシャンが一人もいない)。一応、デンマークを代表するミュージシャンらしいけど、それにしては……ちょっと不甲斐ないというか。特にドラムが悲しいぐらいにモッサリしていて、ドルフィーに置き去りにされてしまっている。


 ジャズという音楽は、一人がいくら素晴らしい演奏家だったとしても、たった一人では上手く成立しないのだなぁ、と強く感じました(こういうところは格闘技の試合と似ている)。世評は高いけれど、私には「At The Five Spot」のすごさをより実感させてくれる買い物。




 他に購入したもので、「これはスゴイ!」と思ったのはジョージ・ラッセルの『Ezz-Thetic』。このアルバムにもドルフィーが参加しているのですが、彼がバンドを取り仕切っているのではと錯覚するぐらいドルフィーがすごい。リーダーのジョージ・ラッセルは、神智学とは無関係ですが「リディアン・クロマティック・コンセプト」というカルト宗教まがいの謎めいた音楽理論を提唱したことで有名な人。こういう個性的な人たちと一緒にやってこそ、ドルフィーが生き生きとしだすような気もします。ラストの「'Round Midnight」は、大友良英ニュー・ジャズ・クインテットばりの解体/再構築具合。


 以上、長々と書きましたが、紹介したアルバムが全て1961年に録音されているという事実がまた驚き。どんだけ精力的活動していたんだよ……、そりゃ早死にするわ、という気持ちになりました。





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